教師がつながる「授業研究」

高知県  高知市立潮江小学校

高知県 高知市立潮江小学校

1872年開校。2004年度から「学びを中心とした授業の創造」をテーマに掲げ、教師が教え込むのではなく、子ども自身に学ばせる指導法の研究を続ける。3年生以降に中国語教育を取り入れているのも特徴。

校長●門田権四郎先生

児童数●435名

学級数●19学級(うち特別支援学級4学級)

所在地●〒780-8015 高知市百石町2-4-40

TEL●088-832-7145

FAX●088-832-7266

公開研究等の予定●2007年10月10日(水)、11月22日(木)に 全校公開授業研究を実施

門田権四郎

▲高知市立潮江小学校校長

門田権四郎
Kadota Gonshirou

藤井裕子

▲高知市立潮江小学校

藤井裕子
Fujii Yuko
研究主任。3年担任

大山富子

▲高知市立潮江小学校

大山富子
Oyama Tomiko
副研究主任。3年担任
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【事例3】

教師の時間的負担を減らし
年間100回の授業研究を実現

高知県 高知市立潮江(うしおえ)小学校

子どもが共に学び合う授業を目指して研究を進める潮江小学校。取り組みの中心にあるのは、教師の負担を軽減する工夫によって実現した年間100回の授業研究だ。その成果は、教師、そして子どもの姿に表れつつある。

図
Point 1

教師の時間的負担を軽減

聴き合う授業を目指し年間100回の授業研究
 

 2004年度から「学びを中心とした授業の創造」に取り組む潮江小学校。目標は、子ども同士が学び合う授業の確立だ。「教師が子どもの発言をつなぐことで、子どもが自由に発言でき、聴き合う関係をつくりたい」と、門田権四郎校長は力を込める。
  そのため、「机をコの字型に並べ、男女を交互に配置し、話し合いを促す」「教師は教卓を使わず、児童と同じいすに座って低い目線で話す」「1時限で最低1、2回の班活動を行う」といった手法を取り入れている(写真1)。
  こうした研究の中心を占めるのは活発な授業研究で、06年度に門田校長が赴任してからも深まっている。門田校長は赴任直後、研究の内容や成果を把握するため授業を見学した。
  「子どもの発言の引き出し方や間の取り方などが大変うまく、驚きました。ただ、研究熱心な教師がいる一方で、『授業観が異なる』『授業には自信があり、新しい手法を取り入れる必要がない』といった理由から、研究に否定的な教師もいました」

 まずは教師の意識を一つにしようと、「せっかく同じ学校にいるのだから、“潮江スタイル”に共に取り組もう。成果が出たら、自分の指導法にプラスすればよい」と呼びかけた。

 教師全員で研究するために、年間6回(各学年1回)だった授業研究を増やした。担任全員が、各学期1回の校内研究授業と、新たに高知市からの指定を受けて、1人年間2回.の公開授業を行うことにした。年間の授業研究は合計で100回に及んだ

写真1
写真1 原稿を見ずに作文を発表する2年生の国語の授業。コの字型に机を配置し、教師も座って発表者を囲む

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