教師がつながる「授業研究」
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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Point 2

外部指導者を継続的に招く

外部の助言で迷いが払拭(ふっしょく)され、学校全体の学力観も統一
 潮江小学校の実践を理論的に支えるのは、04年度から始めた埼玉大教育学部附属教育実践総合センターの庄司康生教授の指導だ。門田校長は外部指導者を継続的に招く効果をこう語る。
  「著名な先生の指導を受けているという気持ちが、教師の意欲を高めます。理論的に根拠のある方法を明確に示してもらうことで、研究につきまとう『このやり方で良いのだろうか』という迷いも払拭(ふっしょく)されます
  研究の継続には、マンネリ化の防止も重要だ。その点、継続的な助言によって常に研究を見直せることも、外部指導者を招く利点となる。また、研究主任の藤井裕子先生は「学力観の統一」を大きな効果として挙げる。
  「研究開始当初は、教師一人ひとりの学力観が異なるものですが、何度も同じ先生の指導を受けるうちに一つの方向に収束し、教師全員がわかり合えるようになります。また、研究による授業の変化をチェックしてもらえるのも、継続的に指導を受けるメリットです」
  研究の予算確保のための活動にも前向きだ。潮江小学校は05年度より2年連続で高知市から「集中研修」の指定を受けた。これは、市の予算で外部指導者を招聘(しょうへい)し、全市に向けて公開授業を実施するという制度だ。門田校長は教師の意見を統一し、これに率先して応募した。
  「文部科学省や自治体は、さまざまな研究指定を制度化しています。研究を充実させるには、それらを利用した予算獲得も重要な方法の一つと考えています」

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