つながる「保護者」と「学校」

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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サポーティブ・ディタッチメントで子どもを見守る

 今の保護者に最も欠けているのは、「サポーティブ・ディタッチメント」の考え方だと、私は思います。これは、少し離れた状態から子どもをサポートするという意味です。逆に、べったりと保護するのが「サポーティブ・アタッチメント」です。
  例を挙げましょう。教師が子どもを引率して登山するときに、先頭で指示をしながら登るのは「サポーティブ・アタッチメント」です。それに対し、あとに付いて歩き、子どもが道を間違えても口を出さずに見守るのが「サポーティブ・ディタッチメント」です。危険を感じたら即座に対応する点において、サポーティブ・ディタッチメントはただの放任ではありません。それには労力を要しますが、子どもの年齢が上がるにつれて、より必要になることを教師自身が意識すると共に、保護者にも伝えるべきだと思います。
  更に学校では、人間関係の多様さや複雑さを校内につくり出すことも心がけるべきでしょう。保護者間のネットワークを構築するなど、保護者が学校に訪れたくなる環境を整えることが重要です。大掛かりなことをする必要はありません。父親を集めてソフトボール大会を開くだけでも、そのきっかけとなるでしょう。卒業生や地域住民、地域の人材バンクの協力を得たり、幼稚園や保育園と連携して子どもに乳幼児の世話をさせたりするのでもよいのです。自分よりも小さい子を世話する経験は、子どもの自信にもつながります。
  大変だと思いますが、共に子どもを育てるパートナーとしての関係を構築してください。たとえ理不尽なことを言われても、共感の気持ちを持って、保護者の本音を理解しようとする姿勢が大切だと思います。

まとめ
保護者が学校に訪れたくなるような取り組みをする
「保護者と共に子どもを育てるパートナー」という関係を築く

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