基礎的・基本的な知識・技能の一層の習得・理解を図るためには、どのような指導が有効か。中教審では、具体例の1つとして、次の方策を挙げる。(傍線は編集部)
●「審議のまとめ」資料より(07年11月時点)
第一に、発達や学年の段階に応じた指導の重視である。個人差等はあるものの、一般的に、小学校低学年から中学年までは、体験的な理解や具体物を活用した思考や理解、反復学習などの繰り返し学習といった工夫による「読み・書き・計算」の能力の育成を重視し、中学年から高学年にかけて以降は、体験と理論の往復による概念や方法の獲得や討論・観察・実験による思考や理解を重視するといった指導上の工夫が有効であると考える。
このような観点から、「読み・書き・計算」などの基礎的・基本的な知識・技能の面については、小学校の低・中学年を中心に、発達の段階に応じて徹底して習得させ、学習の基盤を構築していくことが大切である。
また、形式知のみでなく、いわゆる暗黙知(※1)も重視すべきである。このため、家庭とも連携しつつ、体験的な活動や音読、暗記・暗唱、反復学習などを通じて、基礎的・基本的な知識・技能を体験的、身体的に理解することも重要である。
※1 「形式知」とは、知識のうち、言葉や文章、数式、図表など明確な形で表出することが可能な客観的・理性的な知識のこと。これに対し、「暗黙知」とは、勘や直感、経験に基づく知恵などを指す
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