今回の調査結果で明らかになったことをまとめると次のようになる。
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計算でつまずく児童は3、4年生に多い。1、2年生の平均正答率は9割を超えるが、3年生で約8割、4年生以降は6~7割台に落ち込む |
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各学年でつまずくポイントがある。1、2年生は、数字の6、7、8が出てくる計算問題。3、4年生は繰り下がりのあるひき算、小数の位ぞろえ。5年生は余りのある小数の割り算。6年生は計算の順序 |
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既に習った内容を発展させる計算問題(桁を増やすなど)は、半数の児童しかできない |
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女子や計算が苦手な児童の算数嫌いが、4年生で顕著に増えている(図3) |
今後は、これらの実態を手がかりに、図形問題や文章題を解く力、問題文を把握する力がどのようになっているのか、そこに計算の仕方がどのようにかかわっているのかといった「算数力の実態」を把握することが課題であると考えている。
野村徳之(ベネッセ教育研究開発センター研究員)
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