「型」を使う場面はほかにもある。浜寺小学校には、4年生以上を対象に週1回行う「サークルタイム」という活動がある。10~15名で輪をつくり、与えられたテーマについて互いに考えを述べ合うという取り組みだ。この話し合いは、図4のような型(ルール)に沿って進められる。そして最後に、友だちの意見を聞いて自分の意見がどのように変わったのか、今の自分はどのように考えるかを「サークルタイム論文」にまとめる。この活動について、池側(いけがわ)早智子先生は次のように話す。
「サークルタイムでは、子どもたちの輪の中にボールを転がして、ボールを持った子が発言するというルールにしています。普段あまり話さない子どもにもボールを回すという暗黙の了解があって、その子にボールが回ると、ほかの子どもたちが励ますのです。今ではだれもが臆することなく発言できるようになりました。ときには、子ども同士で意見が対立することもありますが、それでもよいのです。子どもには『意見が違う友だちに自分の意見を合わせる必要はない。意見が違ってもかまわない。けれども、なぜその子がそういう考え方を持っているのか、相手の思いを受けとめるようにしよう』と話しています」
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