「ものの位置の表し方」(4年生)は、中学校で学ぶ「座標」への接続を意識して、その下地づくりのために新たに設けられました。下図の例のように、「市役所の位置を碁盤の目の中から示す」といった図の中でのものの位置の表し方を学習することになります。
同様に「数量の□などを用いた式の読み、書き」(3年生)、「数量の□、△などを用いた式の読み、書き」(4年生)も、文字式について学ぶときの下地づくりとして設けられています。□を用いた式とは「□+3=9」といった未知数が一つの式、□や△を用いた式とは「□+△=9」といった未知数が二つの式のことです。数量を□や△などを用いて表したり、その関係を式に表したり、□や△に数を当てて調べたりといった学習をします。
中学年の発達段階の子どもに、□や△を使って未知数の概念を教える際には、かなり丁寧に指導する必要があるでしょう。「B君は色紙を3枚持っていました。C子さんが持っている色紙と合わせると8枚になりました」という問題を□を使った式で表すと、「3+□=8」になりますが、子どもは「合わせて」という言葉に引っかかって「3+8」という式をつくりがちです。
□や△を用いた式の意味をよく理解させるためには、「書き」と「読み」、つまり具体と抽象の行き来をさせる活動を数多く行うことが、やはり大切です。
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