新学習指導要領へのアプローチ 第2回 学びが深まる「算数的活動」
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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中学年  整数の計算能力の定着を図ると共に
未知数を扱った式が登場

スパイラルで加減乗除の定着を

 新しい学習指導要領では反復(スパイラル)の重視が明記されています。この考え方を反映し、4年生で「整数の計算能力の定着と活用」が新たに盛り込まれました。
 4年生までの段階で整数の加減乗除を一通り学習しますが、これがしっかり定着していないと、四則の混合した式や( )を用いた式について学ぶとき、あるいは小数や分数の加減乗除について学ぶときに、つまずきやすくなります。そこで、この時点で整数の四則計算の定着と活用を復習する機会を設けたわけです。もちろん「整数の四則計算」だけではなく、あらゆる単元において、学んできた内容の振り返りと定着を図る機会を設けておくことがとても重要です。

未知数の指導はより丁寧に

 「ものの位置の表し方」(4年生)は、中学校で学ぶ「座標」への接続を意識して、その下地づくりのために新たに設けられました下図の例のように、「市役所の位置を碁盤の目の中から示す」といった図の中でのものの位置の表し方を学習することになります。
 同様に「数量の□などを用いた式の読み、書き」(3年生)、「数量の□、△などを用いた式の読み、書き」(4年生)も、文字式について学ぶときの下地づくりとして設けられています。□を用いた式とは「□+3=9」といった未知数が一つの式、□や△を用いた式とは「□+△=9」といった未知数が二つの式のことです。数量を□や△などを用いて表したり、その関係を式に表したり、□や△に数を当てて調べたりといった学習をします。
 中学年の発達段階の子どもに、□や△を使って未知数の概念を教える際には、かなり丁寧に指導する必要があるでしょう。「B君は色紙を3枚持っていました。C子さんが持っている色紙と合わせると8枚になりました」という問題を□を使った式で表すと、「3+□=8」になりますが、子どもは「合わせて」という言葉に引っかかって「3+8」という式をつくりがちです。
 □や△を用いた式の意味をよく理解させるためには、「書き」と「読み」、つまり具体と抽象の行き来をさせる活動を数多く行うことが、やはり大切です。

指導例

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