低学年からの学びと指導 体験を生活科の軸に

東京都練馬区立石神井小学校

1874(明治7)年設立の伝統校。生活科や総合的な学習の時間を中心に、地域の人的・物的な環境を教育に積極的に取り入れる。近接する石神井公園の自然豊かな環境を生かした環境教育にも力を注いでいる。

 

校長◎高崎登先生
児童数◎577名 
学級数◎22学級(うち特別支援学級4)
所在地◎ 〒177-0045 東京都練馬区石神井台1-1-25
TEL◎03-3997-3277
URL◎http://www.
shakujii-e.nerima-tky.ed.jp/


根本裕美

練馬区立石神井小学校

根本裕美

Nemoto Hiromi

2学年主任、研究主任

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【実践事例】

東京都練馬区立石神井(しゃくじい)小学校

体験重視の生活科を指導の柱にし
2年間で学びをつくる

生活科を起点に広がる他教科への学び

 石神井小学校では、体験活動を軸にした生活科の授業を低学年指導の柱に位置づけている。その方針は、低学年の子どもは身近な生活とのかかわりを通して成長するという考えに基づいている。2学年主任の根本裕美先生は次のように説明する。
 「低学年の子どもに新しいことを指導するには、身のまわりの事象に対する興味・関心から出発することが大切です。その点、新学習指導要領に規定されている生活科の九つ(現行学習指導要領では八つ)の内容(図1)は、いずれも子どもの日常生活と深く結び付いています。生活科を起点にして興味・関心を引き出して、子どもの自立心を育てることが、本校の低学年指導の目標です」

図1

 生活科から芽生えた興味・関心は、他教科にもつながっていく。根本先生が特に注目しているのは国語科との結び付きだ。
 「以前に比べ、子どもはテレビゲームなどの仮想的な世界で過ごす時間が長く、『体験』の機会は明らかに減っています。ところが、実際に体験したことでなければ、自分の言葉で表現するのは難しい。体験の充実は言語の獲得にもよい影響をもたらす、と考えています」
 生活科で地域住民と交流することによって、子どもは相手の立場に合わせた話し方を自然と身につけていくという。これは国語科に関連する。また、動物の飼育は、例えば体長を物差しで計測することが算数の学習につながり、命の大切さを学ぶための題材として道徳の授業でも取り上げられる。


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