VIEW'S REPORT
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教師の研修体制と指導用教材が充実

 韓国では、81年から実質的にすべての小学校で英語教育を行っていたこともあり、97年に正式導入されたときも、教師の間に目立った混乱はなかったという。研修体制が充実していることも大きい。96~97年度に、国の主導で小学校教師を対象として120時間の研修を実施、優れた力量を持った教師に対しては、更に120時間の「深化研修」が実施された。02~06年度には「指導法」「ALTとの共同授業」など毎年8~9種類の実習が実施されている。96~06年度の10年間に研修を受けた小学校教師は、ソウル市だけで延べ3万人弱になるという。
 小学校教員を養成する教育大学においても、96~97年に英語教授法を学ぶ「英語深化課程」を設置し、現在ではすべての教員が英語の指導を行えるようになっている。採用試験では英語インタビューが課されており、英語を教えられない教師は教壇に立てないといってもいいすぎではない。
 もっともヨンジ小学校のキム・ヨンマン校長によると、教師の英語力は必ずしも授業の質を左右するものではないという。韓国では、小学校の教科書はどの教科も国定教科書が用いられるが、教科書の内容と連動したCD‐ROMが無償で児童に配付され、あわせて教師用の指導書と指導用CDも用意されている。研修制度の充実とともに、指導用ソフトを充実させることで、授業の質を保証しているのである。

KICE(韓国教育課程評価院)

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