芳山小学校の教室の廊下に面した掲示板には、子どもの書いた観察日記や体験の日記、作文、絵が所狭しと貼ってある。
「個が育つコミュニケーションをはぐくむ」をテーマに教育活動に取り組む同校では、「書いたもの」を子ども同士のコミュニケーションのきっかけとして意図的に活用している。廊下の掲示板も、子ども同士のかかわり合いの場として位置付けられているのだ。
「書くことで、子どもの授業への取り組み方も変わる」と考え、どの教科の授業でも、さまざまな場面で書く作業を組み込んでいる。2学年担任の菅野信広先生は、「書くこと」を積極的に取り入れてからの子どもたちの様子について、次のように話す。
「低学年では、聞いたり話したりして授業に参加するだけでは、『なんとなくわかった』という程度の理解にとどまる子どもが多くいます。授業に書く作業を取り入れ、自分で考える時間を組み込むことによって、どの子どもも授業にしっかり向き合えるようになります。書く作業を取り入れてからは、授業への関心が高まり、子どもは以前にも増して、友だちの発表に真剣に耳を傾けるようになりました」
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