新学習指導要領へのアプローチ 第4回 「活用」から考える授業づくり
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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Q4:具体的には、どのような課題を使うのでしょうか

A4:実際に使用した6年生用の「パフォーマンス課題」(図1)を見てください
 この課題は「さまざまな状況の中で、問題を数学的に定式化し、解決し、解釈し、それをコミュニケーションする力」を測るために作成しました。「問題文が長いだけで、普通の文章題とあまり変わらないのでは」と思われるかもしれません。しかし、課題に付けた注意文では思考過程を表現するように伝え、B4判の問題用紙の約3分の2は自由記述の解答欄である点が違います。パフォーマンス評価は、短時間に多くの問題を解かせるのではなく、じっくり考えさせるテストですから、時間は20分としました。普通のテストと同時に行うと、じっくり取り組まなくなるので、この問題だけ時間を別に確保して行いました。

図1 6年生向けのパフォーマンス課題と子どもの解答例

     注意文
  • このテストは、あなたがどのように考えたのか、その考え方の全体を調べるためのものです。
  • どのように考えたのか、その考え方を、式、言葉、図、絵などを使って、わかりやすく書いてください。
  • 正しい答えが出せなくても、考え方がきちんと書けていれば、点数がもらえます。しかし、答えが正しくても、考え方を書いていなければ、点数はもらえません。
  • 途中までしかわからないときでも、自分が考えたところまで書いてください。
図1

Q5:問題作成の方法、注意点を教えてください

A5:測りたい観点を考慮して問題の大枠を考え、使うことのできる表現方法や解法、課題に含まれる数値、場面設定などを検討します
 図1の課題であれば、「多様な表現方法や解法を使える」「真実味のある現実場面を題材とする」などに留意しました。
 式と計算しか使わない課題では、図や表を用いて説明するのが得意な子どもには不利です。複数の解法を使えるようにし、多様な思考が表れる課題にしました。ここでは「時速や分速で比べる」「時間をそろえて距離で比べる」など、八つの解法を予想しました。
 数値に関しては、ただ公式に当てはめただけでは答えがきれいな数値にならないようにしました。同時に計算が難しくなりすぎないようにも注意しました。生活の中で想定しやすい場面にしたのは、そこから算数的な思考に移る過程を評価したいと考えたからです。


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