活動を始めてすぐの07年度1学期、既に子どもは「分からない」という状況にあった。そこで、担任も徐々に活動に加わるようにしたが、あくまでも「今、こんなことを話したよ」とALTの話を通訳することが中心で、活動の主導はALTだった。このような1年を過ごし、5年生担任(当時)の新垣義貴先生は、英語活動の意味を考え直したと言う。
「子どもにALTの英語を通訳しても、活動の目的があいまいだったため、子どもの意欲は高まりませんでした。そうした姿を見て、私を含めて多くの教師が『担任が主体的に活動を考え、行う必要がありそうだ』と考えるようになりました」
教師の意識の変化は、07年度と08年度の各年度の初めに実施したアンケートの結果に明確に表れている(図1)。「英語活動における担任の役割」として、「ALTの補助者」を選んだ割合は80%から19%へと大幅に減った。同様に、「児童の理解を助ける仲介者」という回答が減り、担任が「通訳」として参加することに疑問が生じたことが分かる。08年度のアンケートで、「学習の雰囲気を作る媒介者」「指導計画・活動内容の計画者」といった担任が主体的にかかわる項目を設けたところ、これらが回答の上位を占めた。
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