移行措置対応のポイント 第1回 担任が進める英語活動
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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課題(2) 「英語ノート」の教材カードには使いづらい物がある

 例えば5年生の、果物のカードを組み合わせてフルーツパフェを作るレッスンでは、果物の形ではない四角いカードをグラスの絵の中に置く作業のため作業がしにくく、子どもの活動意欲を高めにくいところがあった。

改善策―使いづらい物は、教師が自作

 活動前に必要な教材を検討し、その度に準備。教師間で共有することで負担を軽減した。

課題(3) 少しでも分からない個所があると苦手意識を持つ児童が目立った

 英語の聞き取りなどで、一部を理解できれば良い場合でも、完全に理解できなければ「英語は分からない」とすぐに苦手意識を抱く子どもが目立った。「積み上げの学習形式に慣れてきた子どもには、『一部が分かれば良い』という発想がなく、『完璧主義』に陥りがちな傾向が見られました」と岩本先生は話す。

改善策―苦手意識を持たせない指導に

 「全部を聞き取れなくても良い」と繰り返し伝えて、子どもを安心させるようにした。「分からなければ、Once more, please. というフレーズを言えば良い」と伝え、「分からない↓つまらない」となるのを防いだ。

■成果と課題

 08年度末に行った児童アンケートの結果では、「意欲」「理解」「聞く」「話す」のすべての項目が、07年度に比べて高くなった(図3)。
 

 「『分かる』『楽しい』という気持ちにさせるという08年度の目標は、おおむね達成できました。今後は、クラスルームイングリッシュを徐々に導入するなど、子どもの英語への興味をますます引き出せるように、教師一人ひとりの努力によって活動の質を高めていきたいと思います」(岩本先生)

図3 児童へのアンケートの結果

年度末に、子どもに英語活動について尋ねたアンケート結果。「意欲」「理解」「聞く」「話す」について、「よくできた」(3点)、「まあできた」(2点)、「あまりできなかった」(1点)、「まったくできなかった」(0点)を数値化して平均を求めた。課題だった意欲も含め、08年度では数値が上がっていることが分かる


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