移行措置対応のポイント 第1回 担任が進める英語活動

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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まずはここから始めてみよう!

 英語活動を始めたばかりで、すぐには理想的な活動をつくるのが難しいと感じる先生も多いでしょう。目指すべき英語活動を実現するために、次のようなことから始めてみてください。

◎「英語ノート」を子どもに合わせてアレンジ

 ゼロから指導案を作り上げるのは大変です。「英語ノート」はコミュニケーション能力の育成を目的として作られた教材なので、それを活用しましょう。ただ、そのまま使うと子どもの実態にそぐわない場合もあります。「英語ノート」を基本としながら、子どもがコミュニケーション活動をしにくい点はアレンジして使うと良いでしょう。また、演劇が得意な先生なら英語劇に力を入れるなど、得意分野を生かした活動を考えることもお勧めです。その学級ならではの活動となるでしょう。

◎指導書の「ねらい」を大切にする

 「英語ノート」と一緒に配布される指導書は、すべてを詳細に読む必要はありません。最も大切なことである「ねらい」をつかみ、大まかな活動の流れを参考にしてください。ねらいを踏まえ、子どもの興味・関心などに応じて表現などの言語材料・内容・時数を検討していくと良いでしょう。

◎効果の高い場面から英語を使う

 教師が子どもに発話する場面は、図2のように三つに分類できます。の場面では、日本語で話した方がコミュニケーション能力の育成という観点で有効なこともあります。活動中、常に英語で話す必要はないのです。

◎学習内容について研究する

 あいさつや数の数え方などの文化的な背景を事前に調べて教えることにより、言語だけではなく、異文化に対する興味・関心も高められます。その際、「なぜそうなると思う?」などと考えさせれば、更に効果的です。

図2 活動場面に応じた英語の使い方とヒント

1.コミュニケーションのモデルを示す場面
  • チャンツやゲームなどの活動で用いる表現には決まった表現が多いので、用いる英語表現を活動前に練習してみてください。担任が取り組む姿を見せることは子どもに勇気を与えます。発音に自信がなければ、ALTにモデルとして発音してもらっても良いでしょう

  • ALTがいない日には、単語やフレーズを読み上げる機能のある電子辞書を、子どもと一緒に使うという方法もあります

2.子どもと情報や気持ちをやりとりする場面
  • コミュニケーションのための会話では、日本語を織り交ぜても構いません。例えば、“Which baseballteam do you like?”と教師が質問し、子どもがチーム名を答えます。そうしたら、“Why do you likethat team?”などと会話を続けたいところです。

     教師が英語で表現できない、または子どもが理解できないフレーズになる可能性もありますが、教師が“Good.”と言うだけで会話を終わらせるのは、コミュニケーションとして不自然です。このような場合は、日本語でも良いので会話を続けましょう。“How areyou?”に続いて具合を聞く時も同様です

3.授業の流れをつくる場面
  • 簡単なあいさつや指示、褒め言葉などのクラスルームイングリッシュについても、一度に多くを覚えるのは大変です。徐々に増やしていくという気持ちで良いと思います


  • すべてを英語にする必要はありません。例えば子どもを褒める時には、“Good job.”や“Excellent.”などを用いた後に、短い言葉でも良いので、日本語でより具体的に褒めましょう。子どもの心に届くような褒め方を心掛けてください


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