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5年生 単元名「小数倍」
授業者-佐藤拓先生 T:教師 C:児童
ねらい
既習の整数倍や小数の学習、数直線を活用しながら、小数倍の意味を考えていく
時間
場面
授業の展開
中村先生の視点
0分
課題の把握
◎
赤と黄色の2本のリボンを提示。長さを教えずに「黄色のリボンは赤のリボンの何倍か」を予想させる。子どもは「3倍」「2倍」「2.5倍」と発言
◎
次に数人の子どもが前に出て、リボンを動かして何倍かの見当を付ける。子どもは「2個半くらい」「2.5倍」などと発言
佐藤先生のねらい
リボンの操作を通して半分くらい余ることを実感させ、「小数を用いると良さそうだ」という意識に向かわせる
T
「何が分かれば調べられるかな」
C
「長さ」「2本のリボンの長さ」
長さを教えずに予想させたのが良い
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14分
自力解決
◎
赤は5m、黄色は12mであることを提示(リボンは共に縮尺したもの)。自力解決に入る前に、答えを求める方法を皆で確認
T
「何倍なのかはどのような方法で求められる?」
C
「筆算」「テープ図」「数直線」「位もどし(*1)」「位分け(*2)」
T
「どの方法を使っても良いです。ノートに問題文を書いたら、やってみて」
佐藤先生のねらい
自分の得意な方法で答えを求めさせたい
既習内容なので、全員で方法を確認する必要はなかったのではないか。それぞれの子どもに任せれば、時間を3分間程短縮出来た
27分
比較検討1
T
「どのように考えたのか、途中まででも良いので発表してください。まず、式で考えた人がいると思うけど、どんな式になりましたか」
C
「12÷5」
◎
「12÷5」の答えを筆算、位もどし、位分けの計算方法を用いて皆で確認
佐藤先生のねらい
どの計算方法も既習内容だが、計算のきまりを使う考え方などは、今後の学習にもかかわる大切な考え方なので、あえて時間を割いた
計算方法はすべて既習内容。時間短縮のためにも筆算のみの確認で良かったのではないか。理解の遅れている子どもには、自力解決の時に支援する手もある
「2.4」という答えは、授業の中心になる数直線の作成後に確認しても良かった
33分
比較検討2
T
「答えは2.4だから、2.4倍で良さそうだね。2.4倍とはどういう意味?どういうこと? 2倍は2個分、3倍は3個分、では2.4倍といったら?」
Aくん
「分数で考えて……2はそのままで、残りの0.4は1のうちの4つだから…1を10と考えると4/10。2も、1を10と考えると20/10になる」(
★
)
T
「Aくんは2と0.4に分けた。2はそのままなんだけど、0.4を分数で考えた。10個に分けたうちの4つ分が0.4というのがAくんの考え。図で説明を聞きたいのだけど、数直線をかいた人はいる? Bさん、途中で迷ったと言ってたけど、そこまでかいてごらん」
◎
ここから子どもたちは、黒板と同じ数直線をノートにかく (黒板もノートも0.2単位の方眼状)
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37分
Bさん
数直線をかく【数直線1】
T
「Bさんがかいた順番を見た?」「そうだね、目盛りをかいて、数字の5をかいた後、1をかいたね。12までかいて迷ったということだけど、Bさんは何を迷ったと思う?」
Cくん
「2m余った」
T
「図で言うとどこのこと?」→子どもが前に出て指さす
T
「同じことをかいて迷った人いる?」→数人が挙手
T
「では、迷った部分をどうすれば良い?」
「順番を見た?」「Bさんは何を迷ったと思う?」「2の先を考えると分かる場所はないかな?」などの方法を問うたり、子ども同士の言葉をつなぐ問い掛けをしたりするのが良い。子どもは、皆で数直線を作り上げていると感じながら作業をしたと思う
42分
Dくん
「12mの下に何をかけばよいか分からないから……そこを□として」
前に出て12mに対応する「倍」の線上に□をかく
【数直線2】
数直線を指しながら「5×□で12になる」
T
「5×□=12となる□を見付ける方法がありそうだね。数直線の中でうまく見付ける方法はないかな?」
T
「2の先を考えると、分かる場所はないかな?」
45分
Eさん
「15mの時、3倍になる」
【数直線3】
T
「そうだね、そこは分かるね。2がここ、3がここなら、□は?」
T
「2から□は、(方眼の)目盛りが2マス進んでいる……」
T
「1マスはいくつかな? 2から3までは5マスあるけど」
*1 被除数を10倍して計算、商を1/10倍して答えを求める方法。位分けと共に、児童が名付けた
*2 十の位と一の位に分け、それぞれをわり算して商を合計して答えを求める方法
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