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「言語活動を設定するプロセス」の明文化 例:1年生「じどう車ずかんをつくろう」
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(1)児童の実態を明らかにする |
◎興味・関心・態度
- 女子は比較的書く活動が好きである
- 男子は乗り物に興味・関心がある
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◎身に付いている言語能力
- ひらがなを読める
- 視写をすることが出来る
- 教師の支援を得ながら大体の内容を理解できる
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◎既習事項・内容
- 教科書のパターンで「とりのくちばし図鑑」を作ること
- 絵や写真と結び付けて文章を読むこと
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◎まだ身に付いていない言語能力
- 文と文をつなげて書くこと
- 友だちの考えと自分の考えを比べること
- 図書から、必要な事柄を読み取ること
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言語活動で付けたい力、そのための活動内容や指導方法を検討する出発点となる |
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(2)単元で身に付けたい力を確認 |
◎時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内容の大体を読むこと
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学習指導要領の指導事項に示された言語能力を教科書教材を基に確認する |
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(3)単元で身に付けたい力を具体化・細分化(「7つの読解力」と関連させる)
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◎身に付けたい力(上位能力←下位能力)を分析
- 時間的な順序を考える力←時間的な順序を表す言葉の習得力
- 事柄の順序を考える力←順序を考えるためのキーワード、キーセンテンスを見つける力(4)←事柄を読み取る力
- 内容の大体を読む力←文や言葉と写真や絵を結び付ける力(1、5)←言葉のまとまりごとに音読する力←ひらがなや必要なカタカナ、漢字を読む力
◎「7つの読解力」との関連を確認
4→引用する力 1→比べる力 5→図読・図解する力
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身に付けたい力の下位能力を考えていく。この作業により、どのような表現様式の活動が適切かが見えてくる |
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(4)「表現様式」を明らかにして、言語活動を設定 |
【表現様式】
説明文{話題提示-説明(特徴-理由)}
【言語活動】
自動車図鑑を作って「あゆみ園」で発表する―ひとまとまりの言語活動(大きく見て「活用」)
- 音読する
- 目的に応じて本や文章を読む
- 自動車図鑑を作る
- 発表会をする―言語活動を支える言語活動(大きく見て「習得」)
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表現様式(報告文、観察文、説明文、手紙など)や活動の機能(記録、説明、報告、紹介)の両面から検討。表現様式を明らかにすることで、言語活動を支える知識・技能が明らかになる |
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(5)言語活動を支える知識・技能を明らかにする(言語活動を終えると身に付いている状態になる)
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◎音読する
ア.ひらがなの習得
イ.必要なカタカナ・漢字の習得
ウ.言葉のまとまりごとに読む
エ.はっきり、句読点に気を付けて読む
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◎発表会をする
ア.相手に聞こえる声の大きさで話す
イ.聞き手の方を向いて話す
ウ.相手のことを考え、はっきり、ゆっくり話す
エ.関連する絵や写真の部分を指し示しながら発表する
ア.話す人の目を見て、うなずきながら聞く
イ.評価しながら聞き、感想を述べる
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◎自動車図鑑を作る
ア.目的に応じて文章を読む
イ.文末表現に注意して読み、何の事柄が書かれているか分かる
ウ.絵や写真と言葉や文を結び付ける
エ.大事な言葉、文を必要に応じて書き抜く
オ.必要な接続詞が分かる
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(3)で具体化・細分化した身に付けたい力や、「7つの読解力」と一致するかを見ることで、言語活動の妥当性を確認
(この中には既に身に付けている知識・技能もある) |
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(6)教材文を選定する |
「じどう車くらべ」(光村図書 1年上)
「はしご車」「ポンプ車」「移動販売車」「図書館バス」「除雪車」「ショベルカー」について書かれた文章及び写真
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教科書や本などの他、必要に応じて教師が自作する |
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(7)指導計画の作成 |
◎つかむ――課題意識の醸成。学習課題を設定。学習計画を立てる
◎ふかめる―思考を伴う言語操作によって、言語活動を行うために必要な知識・技能を習得(言語活動を支える言語活動)
◎つくる――自動車図鑑を作る
◎ひろげる―発表し交流する。自己評価・相互評価し、身に付いた力を確認する
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「習得」と「活用」を踏まえ、「つかむ」「ふかめる」「つくる」「ひろげる」のプロセスで検討する |
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*衣川小学校「言語活動を設定するプロセス(例『じどう車ずかんをつくろう』)」を基に編集部が作成 |
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