小学校英語活動 Vol.1 千葉県成田市立成田小学校
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート ~小学校英語活動~
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小学校のカリキュラムは、場面シラバスを採用

 英語科学習の主体になるのは担任であり、児童の実態もよく把握しているので、指導案(図1)は、担任がつくる。96年度は毎週、白紙の状態から試行錯誤しながらつくっていたが、2年目からは96年度末につくった年間指導計画(写真2)をもとに作成するようになり、苦労は半減した。


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図1
指導案の例。先生方の声を反映して改良を重ねていった。それぞれの学級の指導案は、担任の先生がつくり、プレゼンテーションの場面では、担任の先生も必ず英語で話をする。
▼写真2
写真2
学年ごとの年間指導計画。これをもとに、担任の先生は一週間の授業の展開を考える。 小中連携のカリキュラムも収められている。

 成田小学校の英語科カリキュラムの特徴は、「場面シラバス」を採用していることだ。中学校で採用している、文法的にやさしいものから難しい内容へとカリキュラムを構成していく「文法シラバス」に対して、「場面シラバス」は、例えば、「買い物をする」「レストランで食事をする」といったような、子どもたちが遭遇する場面を想定し、そこで使われる英語を学習する構成になっている。ただ、それだけでは日常に必要な会話を網羅できないので、例えば「家族について話す」とか「日本の有名な人物を紹介する」というような「話題シラバス」なども並行して取り入れている。

 

 ちなみに、この考え方で、研究指定3期目のテーマである「小・中連携カリキュラム」も作成されている。小学校で学習した内容が、中学校のカリキュラムのどこに位置づくのかを想定して小学校でのシラバスを作成しているのだ。こうした考え方に基づいた指導を実践し、深めていくことが今後の課題となる(図2) 。


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図2

小・中連携カリキュラム例。小学校で行われている「場面シラバス」「話題シラバス」によって構成されている。 小学校の先生は、現在の学習が中学校でどのように体系化されていくかを知ることができるし、 中学校の先生は、生徒のレディネスを知ることができる。

 毎日の英語科学習を支えるのが、毎週木曜日の午後に行われる研修の時間だ。学年に分かれ、担任がつくった指導案をもとに、ALT、JTEも加わって翌週の英語科学習について話し合う。当初は、プレゼンテーションの練習をしたり、実際にゲームをしてみたりした。経験を重ねるうちに、いまは指導案を見ただけで授業展開がイメージできるようになり、短時間の打ち合わせですむようになったという。


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