小学校英語活動 Vol.4 石川県金沢市
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート ~小学校英語活動~
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小3~5年生は市独自の副読本、6年生は中1の教科書を使用

 金沢市独自のカリキュラム「小中学校英語学習指導基準」のポイントは、大きく2つ。

 1つ目は、「コミュニケーション体験の充実」を重視。英語を使う場面や必然性を大切にし、「わかった」「通じた」「使えた」という達成感や充実感が味わえるような工夫をしている。例えば、「ともだちにごちそうしよう」という場面を想定して、互いにどんな食べ物が好きかを聞き合ったりする活動をさせている。

 2つ目は、「聞く」「話す」から始め、「読む」「書く」を段階的に取り入れていること。これについては、小中学校を4期に分けて、指導の重点を設定した(表1参照)。

▼表1 金沢市の小中一貫英語教育、指導の重点

学年

指導の重点

標準指導時数

教科書等

1期

小学1年~4年

「聞く」「話す」を中心に

1、2年…10時間

3、4年…35+α

1、2年…副読本なし3、4年…副読本1、2

2期

小学5、6年

「聞く」「話す」を重視し、「読む」「書く」を段階的に導入

35+α

5年…副読本2

6年…中1教科書

3期

中学1、2年

「聞く」「話す」を「読む」「書く」につなげる指導

140+α

1年…中1、2年教科書 2年…中2、3年教科書 中学副読本※

4期

中学3年

「聞く」「話す」「読む」「書く」バランスのとれた指導

140+α

中3教科書

中学副読本※

※金沢市が独自に作成した中学生用教材  「This is KANAZAWA」

 指導の教材として小3生~小5生は、市のカリキュラムに沿って市が独自に作成した小学校副読本『Sounds Good』1、2(写真1)を利用している。副読本に準拠した音声CD、ピクチャーカード、デジタル教材も作られ、各学校に配布されているので、先生方はそれを活用して、安心して授業が進められる。

▼写真1

写真1
金沢市独自の副読本『Sounds Good』1、2。小3~5年で使用。楽しいイラストをたくさん入れて、英語を使う場面と英語を使う必然性を大切にしたコミュニケーション体験活動を盛り込んである

 小6生は、前述したように、英語特区の特例措置として「教科書の早期給与」が可能になったため、中1の教科書を活用した授業を行っている。これについては、研究大会参加者から、理由や使い方に質問が出て、金沢市教育委員会の羽岡清美指導主事は、次のように質問に答えていた。

「小学校の副読本作成にあたり、1996年度から実施している『英語活動』で、児童がどんな言語材料にふれているかを調べてみました。例えばI am~.I like~.といった表現は、自己紹介のときに使うものとして、すでに小3段階でふれています。小6まで拾っていくと、一部は中2の内容にまで及んでおり、小学校で学習している英語は、中学校入門期の言語材料と重なることがわかったため、小6での中学校教科書の使用に踏み切りました」


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