こうした実践を積み重ねてきた結果、子どもたちは英語に対してどのような受け止めをしているのか。05年1月に実施した意識調査の結果、「英語の勉強は楽しい」(「楽しい」+「どちらかといえば楽しい」)と思う児童が、74.7%に達している。さらに、「英語の勉強は大切だと思う」(「思う」+「どちらかといえば思う」)が91.2%、「英語の授業はわかる」(「わかる」+「どちらかといえばわかる」)が78.1%に達した。「話す力、聞く力がつきました」の問いには、「ついた」(「ついた」+「どちらかといえばついた」)と答える児童が9割にも達した。
こうした子どもの意識が自己満足でないことは、04年度の「児童英検」の結果からも明らかになっている。04年度、6年生全員が初級クラスを受検したが、市の平均正答率が85.3%に達した。これは、中級を受検できる程度の力がついているとの判定だそうだ。この結果に先生方は、「中学校への移行が円滑になった」と実感しているという。
加えて、各中学校区では、年に5回の小中連絡会、年に4回の授業参観の機会を設けているが、小中が情報交換をすることを通して、連携意識や共通理解が高まったという。その一例として、小学校での学習を受けて、中学校で授業改善の意識が高まってきていることがある。例えば、小学校で十分に英語の音声にふれてきているので、中学校ではなるべく英語で授業を進めるようにしているし、授業の最後に、自分の思いや考えを英語で発表する機会をつくるようにしているという。
課題は、先生方の力量アップと、授業や評価のさらなる充実。もう一点重要なのは、「英語教育を実施していない他地域からの転入生への支援体制」の充実。今後、副読本の改訂や「転入学児童への補充プログラムの作成」がすでに予定に上がっているそうだ。
|