見学した6年生の活動では、メインセンテンスが書かれたカードが黒板に貼られ、子どもたちが一斉にそれを読む場面があった。
「小学生のうちは耳から聞くだけでよいという意見と、確認のために文字があったほうがよいという意見とに議論が分かれるところですが、私たちの学校では、少なくとも高学年はメインセンテンスだけでも文字で示していこうということになりました。ただ、読める子どもたちは数人で、ほかの子どもたちは『読む』というより、『このあたりを発音しているんだな』という感じくらいしか持っていないと思います。でも、それでよいと思っています」(岡先生)
英語の歌やゲームを素直に楽しめる低・中学年とは異なり、高学年の指導は難しいと言われる。桂小学校でも、「聞く」「話す」に中心を置きながらも、子ども扱いされたくないという心理状態や発達段階を考えた教材提示、内容の展開に工夫が凝らされている。
「メインセンテンスを繰り返すだけの活動だと、高学年の子どもたちは飽きてしまいます。『この活動をビデオにし、フェスティバルで発表しよう…』というように、意欲が出るような仕掛けをつくり、興味をつなげる工夫をしています」(岡先生)
「クラス紹介」にしてもお決まりの内容ではなく、グループごとに異なる場面を想定して、シナリオも作らせた。その英訳に協力してくれたのは、サポーターの野々下さんだった。
「シナリオを直訳すると、とても難しい英文になってしまうのですが、子どもたちの言いたいことを理解しつつ易しいフレーズに訳すのは、日本人であるサポーターさんだからこそできるのだと思います。2年目の今は信頼関係もできて、なんでも相談しながら進められるという安心感がありますね」(岡先生)
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