小学校英語活動 Vol.7 第2回全国小学校英語活動実践研究大会(京都市)から 公開授業 京都市立西陣中央小学校
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート ~小学校英語活動~
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「英語活動部」を設け、全校あげて取り組む英語活動

 西陣中央小学校が英語活動に取り組み始めたのは、市からALTの派遣が始まった2000年度。しかし当初2年間はカリキュラムも整わずALT主導の活動で、系統立てた活動は行われていなかったという。しかし、02年度からは校務分掌に「英語活動部」(3~6年生までの各学年1名の英語活動担当者、ALT)を設け、指導計画に基づいた英語活動をスタート。以来4年間、授業や研修など、研究指定は受けていないが、全校をあげて取り組んできたそうだ。

 西陣中央小学校では、「総合的な学習の時間」を「虹の学習」と呼んでいる。「虹の学習」は(1)問題追究学習と(2)基礎・基本の学習に分かれているが、英語活動は(2)のなかで各学年年間20時間ずつを充てて実施している。その20時間の内訳は、ALTとのTTの時間が12時間、残りの8時間は担任一人で進める活動の時間だ(注2)。

注2 1、2年生では、年1回の英語週間に向けての取り組みを行っている。「特別活動」の時間枠のなかから2時間を使い、ALTとふれあう時間をつくり、歌ったり、体を動かしたりしながら、体全体で楽しさを感じられるような活動を取り入れている。

 各学年の年間活動計画を作成に当たっては、京都市から出された「指導計画と活動事例集(試案)」と、04年度に出された「実践事例集」を参考にした。そうした各学校の活動、先生方の実践を京都市総合教育センター内にある「カリキュラム開発支援センター」(注3、写真6~7)が支えている。

注3 ●カリキュラム開発支援センター 京都市総合教育センター内に、9千点以上の学習指導案、約2万冊の教育関連図書、教材・教具、などを一同に集め、現場の先生が明日の授業に役立てるように開放している場。特に、「小学校英語活動のためのリソースコーナー」は充実しており、担任を持っている先生ばかりでなく、ALTの利用も多い。月曜から金曜までは午後9時まで、さらに土曜日も午後5時まで開室し、利用者の便宜を図っている。大型カラープリンターをはじめIT機器も整備されているので、その場で教材作成もできる(写真参照)。
▼ 写真6
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写真6 写真7
「カリキュラム開発支援センター」の中にある「小学校英語活動のためのリソースコーナー」。9千点以上の学習指導案ほか、明日の活動に必要な材料がそろっているので、先生たちの強い味方だ。

 1時間ごとの活動プランは、年間活動計画をもとに英語活動担当者と担任が毎回打ち合わせをしながらつくる。

 特徴的なのは、ALTとの打ち合わせだ。西陣中央小学校では、担任がそれぞれ個別にALTと打ち合わせるというかたちはとらない。英語活動担当者がALTと打ち合わせて英語活動部のメンバーに伝え、それをさらに学年の先生に伝える方法を取っている。担任の声をALTに反映させるのは、担任が授業後に記入する「振り返りカード」だ。子どもたちの様子、態度、教材についてコメントしたものが、英語活動担当者を通じてALTに伝わり、学年にもフィードバックされる。さらにはカリキュラムの改善にも生かされるという仕組みだ。

05年度、ALTは年間39日来校し、1日4時間授業を担当。授業の合間を縫って、打ち合わせ、振り返り、準備に充てる時間を確保した。それでも足りないときは、昼休みや5分の休み時間を使ったりもしながら、打ち合わせ時間の確保に努めたそうだ。


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