地方分権時代の教育行政 千葉県野田市
千葉県 野田市立第二中学校

1951年開校。かつては学校周辺に多数の田畑が見られたが、現在は住宅地や商業の発展が著しい地域に位置する。「心豊かで、自ら学び、たくましく生きる生徒の育成」という教育目標の下、ボランティアやJRC活動などに積極的に取り組んでいる。

 

校長●佐原紀雄先生
児童数●427人
学級数●14学級
〒278-0031
千葉県野田市中根139
TEL 04-7122-5534
FAX 04-7122-5535

鈴木和夫

▲野田市立第二中学校校長

鈴木和夫

Suzuki Kazuo

塩沢 隆

▲野田市立第二中学校
第二学年主任

塩沢 隆

Shiozawa Takashi

※本文中のプロフィールはすべて取材時(06年3月)のものです
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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[実践事例]

千葉県 野田市立第二中学校

キャリア教育で地域と学校の一体感を醸成

市教委の支援を得て職場体験の拡充を図る

 第二中学校は、伝統的に社会活動に力を入れてきた学校だ。10年以上前にボランティア部を創設し、さまざまな社会貢献活動への参加を積極的に呼びかけてきた。社会活動の一環として、第二中学校が1997年から実施しているのが職場体験だ。2年生を対象に3学期の3日間行ってきた(当初は1日間)。
  「仕事を体験している間、生徒の態度や目つきは1日ごとに変わっていきます。その変化は驚くほどです。3日間では短すぎるので、もっと長期間実施したいというのが本音でした」と、鈴木和夫校長は強調する。それだけに、05年3月に野田市が文部科学省から「キャリア教育実践プロジェクト」の指定を受けたときは、職場体験の活動内容を発展させる大きなチャンスと捉えた。同プロジェクトでは、実施期間が「5日間以上」となっていたからだ。
  課題は、生徒の受け入れ先の確保だった。実施期間が3日間から5日間に延長されることで、従来、協力してくれていた企業も難色を示すことが懸念されたからだ。そこで、教育委員会やほかの中学校と連携し、各校の校長や市の商工会議所、各企業の代表からなる連絡協議会を組織。会合を開き、「地域の子どもは、地域が育てる」「地域の子どもは、地域に生きる」という趣旨を説明し、協力を要請した。こうした働きかけがスムーズに進んだ背景には、退職した元校長2人を臨時職員として雇用し、受け入れ先の開拓を進めた市教委の後押しがあったことは、前ページで紹介した通りである。
  「私たちが最も懸念したのは、せっかくの取り組みが指定期間が終了したとたんに立ち消えになってしまうことです。しかし、市教委は指定期間終了後も職場体験を継続して支援してくれることを約束してくれたので、学校としても心強く、取り組みを進められました」(鈴木校長)
図1
職場体験では、学校と地域、家庭、企業と町全体が一体となって、子どもを育てていこうとすることによって、生徒だけでなく、それぞれにもよい効果をもたらしている

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