特集 カリキュラムから考える小中連携

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 20/29 前ページ  次ページ

「英語表現」の授業で小学校のスキルを生かす

  もちろん、西中学校はいわゆる「先取り学習」ばかりを小学校に求めているわけではない。むしろ、小学校で行ってきた英語コミュニケーション活動を生かすために、中学校の授業を改革した部分も少なくない。その中心となるのが、「英語表現」だ。
  「英語の必修4時間のうち3時間を『英語総合』とし、1時間を『英語表現』に充てています。英語表現の授業では、外国の中学生とテレビ会議を行うなど、さまざまな人とコミュニケーションをとる機会を設けています。子どもが小学校までに培ってきた『英語でだれかと話したい』という好奇心を、『相手を理解し、自分のことを相手に伝えられるようになりたい』というところまで深めることをねらいとしています。
  子どもがコミュニケーションへの積極的な意欲を保ちながら、『読む・聞く・話す・書く』の四技能をバランスよく高めていくことが、中学校の役割だと考えています」(岡本先生)
  このような取り組みを続ける中で、カリキュラム上での小学校と中学校の授業の差や、2つの小学校の指導方法の差は、次第に縮まりつつある。また、英語教育の連携をきっかけに、3校の教師の人的交流も深まってきた。教科の連携をきっかけにした小中連携を考える上で、西中学校の実践は参考になるのではないだろうか。

   PAGE 20/29 前ページ  次ページ