特集 生徒が変わる「キャリア教育」
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【課題整理】

体系的な活動を地域の実状に合わせて実施

小杉氏や藤川先生が指摘するように、将来を担う生徒を育てる上で、中学校段階で行うキャリア教育には大きな意味がある。今後、どのような指導が求められるのか。小誌が2007年4月に実施したキャリア教育に関するアンケートの結果を踏まえながら、そのポイントを紹介する。

Point1:事前・事後学習や教科とのつながりを考える

図1
図1

 図1は「キャリア教育を更に充実させる必要がある」か中学校の先生方に尋ねたものだ。「あてはまる」「まああてはまる」の合計は86%になり、キャリア教育を充実させる必要性そのものは、広く認められている。また、図2を見ると、「職場体験学習」や「生徒に自分の適性や将来の夢について考えさせるための活動」などの実施率は高いが、「キャリア教育を進めるための体系的な推進計画の作成」や、「キャリア教育の観点を踏まえた教科の授業の見直し」に取り組む学校は、少数であることがわかる。
 キャリア教育は、事前・事後学習をきちんと行い、教育活動相互のつながりを整理することで効果が上がる。体験学習を単発で終わらせずに、事前・事後学習を工夫し、学んだことを意識化させている仙台市立柳生(やなぎう)中学校(P.10)や、年間計画を策定し、教科とのつながりも強く意識している庄原市立庄原中学校(P.12)の取り組みを参考にしてほしい。

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図2

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