この10年、「総合型地域スポーツクラブ」を各中学校区に整備するという国の方針の下、部活動の役割は学校外に移行する流れにありました。その背景には、社会体育の充実や完全学校週五日制の導入、オリンピックでのメダル数の減少などが挙げられます。高校を卒業した途端、スポーツや文化活動をやめてしまう若者の多さへの危惧もありました。
ところが、この動きはなかなか地域に根付かず、部活動はそのまま中学校で行われているのが現状です。多くの教師が部活動の必要性を感じ、手放さなかったことが要因の一つだと考えられます。私たちの調査では、主に土日だけ指導をする教師でも、部活動の必要性を感じている割合が高いという結果が出ました。しかし、部活動は教育課程外の教育活動であるため、熱心な教師は自由に指導できる半面、断る教師がいるのも事実です。そこで指導のバラツキを小さくするように、教育課程との関連を図る方針へ転換してきたのです。新学習指導要領でも、依然として教育課程外ではあるものの、学校教育の一環として部活動の意義を示し、教育課程と関連付けるよう留意すること、としています。 |