職場体験学習は、キャリア教育の中心的な活動として9割以上の中学校が導入し、 その多くは「総合的な学習の時間」や特別活動の時間が充てられている。 しかし、そもそも「キャリア教育」とはどのような教育を指すのだろうか。 すべての教科・領域で、キャリア教育の視点を盛り込むことはできないのだろうか。 本特集では、中学校に求められるキャリア教育とは何かを改めて見直し、 キャリア教育の観点で日々の授業を見直すためのヒントを、インタビューと学校事例から考える。
次の1~10の項目は、生徒の職業観・勤労観を育むために必要とされる4つの力 (A人間関係形成能力、B情報活用能力、C将来設計能力、D意思決定能力)のうち、 主にどの力と結び付くと思いますか?
上に挙げた項目は、すでに多くの先生が指導・実践されていることではないだろうか。普段から半ば無意識に指導していることが、実は生徒の職業観や勤労観を育む「キャリア教育」にも結び付いている。 つまり、社会に出る際に最低限必要なことや、将来を考える際の土台となる意欲・スキルは、日々の教科指導をはじめとするすべての教育活動において、教師が意識して少し工夫を加えることによって高めることができるといえる。 上記に「模範解答」はなく、複数の能力と関係がある場合もあるだろう。また、これらを指導しているだけで、キャリア教育ができているとはいえない。 本特集では、キャリア教育に関する学校現場の意識や実態を踏まえた上で、改めてキャリア教育とは何を指すのか、教科指導をはじめとする普段の教育活動でできることは何かを、研究者へのインタビューや学校事例から考える。