ここで、一つの疑問が浮かんでくる。本人の認知としての高校入試の大変さは変わっていないのに、学習時間が減っているのはなぜだろうか。一つ考えられるのは、「勉強のがんばり」に対する自己評価が変化したことである。
図7は、高校受験の勉強をがんばったと思うかを尋ねた2002年の調査結果だ。これを見ると、「とてもがんばった」と「かなりがんばった」の合計で34・5%、「ややがんばった」までを含めると67・0%が、自分の努力を評価している。尺度が違うので比較はできないが、P8図5とはずいぶん異なる印象だ。1981年当時は一定の勉強をしていても「まだ足りない」と考える生徒が多かったのに対して、近年は「十分にがんばった」と評価する生徒が多くなっているのではないだろうか。
<出典>
モノグラフ・中学生の世界:一覧(1978~2004)
第4回 学習基本調査・国内調査 中学生版
第4回 学習指導基本調査
第1回 子ども生活実態基本調査報告書