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AO入試の比重が高まる一方学力選抜は整理・縮小へ |
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――諸々の改革を受けて、大学入試はどのように変わってくるのでしょうか。
長期的な観点では、二つの流れがあると思います。一つはAO入試のように、随時志望者を受け付ける個別交渉型の入試が増えていくということです。今後は、国立大においても学生獲得競争が始まり、特に地方の国立大では地元の進学校から高い資質を持った学生を積極的に勧誘することも予想されます。そうした場合には、個別交渉型の入試が非常に重要になってきますから、AO入試の枠が拡充されるかも知れません。
もう一つは、従来の学力選抜による入試の種別が整理されていくことです。現在、入試の枠や形態が非常に複雑で、入試業務の煩雑化が入試ミスなどの事故を頻発させています。国立大では前期・後期に分かれている上、大学院の入試もあります。入試については、簡略化、統合せざるを得なくなるでしょう。前期・後期に分けることにもあまり意味がなくなってきていますから、整理の過程で後期入試は個別交渉型入試に変化していくと思っています。
――そうした場合、センター試験の位置付けはどうなるのでしょうか。
センター試験の役割は大きくなるでしょうね。個別交渉型の入試の比重が高くなれば、一定の学力を保証する尺度がより重要になりますし、そうした尺度があれば交渉も比較的しやすくなる。また、04年度から導入される総合基礎を利用してもいいでしょう。個別交渉型の入試は、センター試験や総合基礎で生徒の学力を測った上で、交渉により生徒と学生のマッチングを確認するのが理想だと思います。 |
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