特集 量から質へ―これからの学びを考える

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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学習時間は下位層も増加
上位層の伸びで差は拡大

 図1で示した家庭学習時間の経年変化を、成績の自己評価別に示したのが図6だ。いずれの層も01年と比べて学習時間が増加しており、学習離れは全体的に改善に向かっている。学校が学力の下位層のフォローを強化してきた成果ともいえそうだ。

図6

  しかし、それぞれの層での伸びは異なっており、上位層が大きく伸びているのに対して、下位層では伸びが緩やかである。上位層の学習時間の伸びは、図7にある中学受験希望者の増加の影響も考えられる。
  以上を踏まえると、「学力向上」を目指す流れの中で、学校現場が基礎・基本の定着に力を入れてきた結果、子どもたちの学習に向かう意識や行動が改善してきたといえる。しかし、その成果は実感しつつも、学校現場では「今はまだ受け身的な学習で、自ら進んで行う学習にまでは至っていない」「基礎・基本以外の『考える力』や『伝え合う力』はまだ不十分」など、学びの「量」対応からどのようにして「質」への対応に転換させていくかについて課題を感じているようだ。
  では、今後、現場ではどのような指導が求められるのだろうか。そこで、7ページからは現場を知る3人の校長先生と、調査結果を分析した耳塚寛明・お茶の水女子大教授に話し合っていただいた。

図7

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