みんなで取り組む小学校英語
京都府 京都市立西陣中央小学校

京都府 京都市立西陣中央小学校

1997年に成逸、西陣、桃薗、聚楽の4小学校の統合により開校。校区は学校に対して協力的な土地柄であり、地域に開かれた学校運営を目指す。文部科学省「コミュニティスクール推進事業」調査研究校。

校長●中森美幸先生

児童数●549名

学級数●21学級(うち育成学級3学級)

所在地●〒602-8441 京都市上京区大宮通り今出川上る観世町135-1

TEL●075-432-5522

FAX●075-432-5523

URL●http://www.edu.city.kyoto.jp
/hp/nishijinchuo-s/

公開研究等の予定●2007年11月9日(金)「西陣中央元気サミット」


●英語活動実施状況

学年、時数●3~6年(年間20時間)

指導者●12時間がALTと学級担任とのTT。8時間が地域の英語ボランティアと学級担任とのTT

中森美幸

▲京都市立西陣中央小学校校長

中森美幸
Nakamori Miyuki
中谷和代

▲京都市立西陣中央小学校

中谷和代
Nakatani Kazuyo
英語活動主任。3年生担任。
矢野智子

▲京都市立西陣中央小学校

矢野智子
Yano Satoko
京都市初任者指導教員。
*本文中のプロフィールはすべて取材時(07年3月)のものです
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 15/23 前ページ 次ページ

【事例3】校内組織で英語活動を支える

「英語活動部」の設置で担任主導の英語活動へ変身

京都府 京都市立西陣中央小学校

熱心な教師やALT(外国語指導助手)に任せきりにしていては、英語活動に継続的に取り組むのは難しい。西陣中央小学校では「英語活動部」を組織したことによって、全校で英語活動に安定的に取り組めるようになった。

ALTとの調整役を担う英語活動主任を設置

  西陣中央小学校では、「総合的な学習の時間」(以下、総合学習)で、地域の協力を得て、地場産業の西陣織、茶道、観世能といった伝統文化の学習に取り組んでいる。自分が住む地域の伝統文化への誇りを育成し、ゆくゆくは世界へ発信していきたいという意識を高めることが狙いだ。その手段となる英語でのコミュニケーション能力を養成するため、英語活動を2000年度から始めた。
  現在、英語活動には3~6年生の総合学習を充てている。各学年とも年間20時間で、月2回のペースだ。そのうち12時間がALTと学級担任、8時間は地域の英語ボランティアと学級担任とのチームティーチングとなる。
  英語活動は、「英語活動部」を中心に行う。メンバーの構成は、英語活動主任、3~6年生の学級担任から各1人、ALTだ。同部の役割は主に3つある。
  1つは教材づくりだ。京都市は独自に教材を開発し学校に貸し出しているが(P.12参照)、それらを自校向けにアレンジし、いつでも使えるように整理している。長期休暇中には、補充や改良もしている。
  2つめは年間指導計画の作成だ。00年度に英語活動を始めた当初は、活動内容は全面的にALTに任せていた。しかし、02年度に年間指導計画を立ててからは、毎年、各学年の英語活動に関する要望を吸い上げながら、改善を重ねている。
  そして、最も重要な3つめの役割は、英語活動主任による各学級の授業内容の調整だ。前任の矢野智子先生が、その役割を「担任の先生とALTとのパイプ役」と表現するように、英語活動主任がALTと学級担任双方の要望を聞きながら、子どもの理解度や反応に合わせて調整する(図1)。
  学級担任は、「子どもは楽しんでいた」「よくわかっていないようだから、もう一度したい」など、子どもの授業中の様子や理解度など、ALTが気がつきにくい子どもの内面を踏まえた要望を伝えてくる。一方、ALTからは活動のアレンジ方法などの専門的な提案があるという。
  「第三者が入ることで、学級担任もALTも互いに対する要望を出しやすくなるようです」と、現在の英語活動主任の中谷和代先生は話す。主任は活動の全体像を把握した上で、双方の要望をただ聞き入れるのではなく、カリキュラムから逸脱しないよう、柔軟に対応している。
図1
英語活動主任とALTは、放課後などを利用して、授業内容の打ち合わせを頻繁に行う。こうしたきめ細かいコミュニケーションが、スムーズに授業を進める上では欠かせない
写真1
写真1 学級担任(左)とALT(右)によるチームティーチングで進められている授業の様子。事前の打ち合わせで息の合った活動を展開

   PAGE 15/23 前ページ 次ページ