HOP! STEP! 小学校英語! 【実践事例】さいたま市教育委員会
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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さいたま市が行う「英会話」の指導案
(1コマの授業の流れ)

0 Introduction

活動例 英会話ルール説明

※「英会話」での約束(ルール)確認


ア.英会話の時間は、「英語で人と触れ合う時間」「外国のマナーを身につける時間」

この時間は英語だけの世界と考え、英語をたくさん使おう。また、将来外国人の友だちをたくさんつくるために、外国のマナーを身につけよう。

 

イ.英会話の時間は「推理ゲームの時間」

英語が一語一句わからなくても大丈夫。頭の中で日本語に直さないことがポイント。わからないときは、友だちや先生の真似をしよう。

 

ウ.英会話の時間は「仲間づくりの時間」

男女問わず、日頃あまり話さない人にも積極的にかかわり、たくさんの人とコミュニケーションを図ることを大切にすると、世界中の友だちができる。

 

*指導のスタンス

→「間違い大歓迎」「わからなくて当たり前」

 

Point1
1時間目の授業では、担任の笑顔やジェスチャーたっぷりのアクション等によってルールを説明。児童の不安を解消し、「自分もやってみたい」という意欲を喚起させる。目的はあくまでも英語スキルではなく、コミュニケーション能力の向上。身振り、手振り、表情など非言語スキルを使っても、言いたいことは伝わることを経験させる。
1 Greetings(あいさつ)
&
Self-Introduction(自己紹介)
10分(Introduction[0]を含む)
  • ALT(外国語指導助手)またはJAT(日本人英会話講師)による自己紹介
  • 担任による自己紹介
  • やってみたい児童はALTまたはJATとあいさつをする

 

2 Warm up(ウォームアップ)
Song(歌)等
10分

活動例 Warm up
♪Hello Songを歌いながら握手!

 

1回目は歌のみ。2回目は歌と握手、アイコンタクト、スマイルを組み合わせて実施。
終了後、指導者は児童が何人の友だちと目を見ながらスマイルで握手ができたかを確認。多くの友だちとあいさつができた児童を、クラス全員が拍手で賞賛する。

 

Point2 握手の大切さを伝えましょう
国際社会では、握手は「私はあなたと仲良くなりたい」「あなたを信頼しています」という意思表示でもある。握手の力の加減やアイコンタクトの仕方なども大事。初対面の相手によい印象を与え、よりよい人間関係を築く上で握手は大切であることを児童に伝えよう。

 

※NGの握手

会釈をしながらの握手はダメ!

1 腰がひけて相手の目が見られない

2 首をかしげながら相手を見ようとすると、上目づかいになる

3 Activities
(目標表現に慣れ親しむ活動)
10分

活動例 グループ作りゲーム
言われた人数のグループを作り、座る

 

ペア→4人→6人と増やしていくとよい。

動物等の足の数でも可。

a bird →2

an ant→6

two lions →8

 

4 Communication Activity
(コミュニケーション活動)
10分

活動例 忍者アタック

児童に目をつぶらせ、担任らが何人かの児童の肩に触れ、忍者を決めておきます。
以下の忍者の掟にのっとり、ゲームを進める
  • 忍者は他の児童に知られてはいけない。
  • 忍者はあいさつまたは自己紹介の途中でウィンクをする。ウインクされた相手はその時点で負け(ただし活動は続ける)。
  • 忍者同士があいさつを交わした場合は、ウィンクをしたほうが勝ち。
ゲーム開始
ゲーム終了後、担任らのOne, Two, Threeの合図で忍者にアタックされた人(負けた人)は座る
勝ち残った忍者が「スーパー忍者」の認定を受ける。

 

Point3
ここでは「友だちとのあいさつで、目を見て話そうとしている」かどうかが評価の対象(P.1図1)。つまり英会話でなくコミュニケーションが主体の活動であることを児童に意識させる。

 

Point4
コミュニケーションの基礎となる要素を、下の絵カードを必要に応じて提示しながら児童にしっかり伝える。

 

 


5 Greetings
(終わりのあいさつ)

5分

活動例 忍者アタック

活動後、または単元終了後に自己評価や児童同士の相互評価を行う。


自己評価の場合はカードに記入させ、相互評価の場合は好ましい活動のできた友だちについて発表させる。

 

Point5 自己評価・相互評価の役割
  • 自分の頑張った点を認識させ、次の活動への意欲を高める。
  • 担任たちが評価の参考にする。
  • 指導方法の工夫・改善に役立てる。
  • 自己評価カードを保存しておくことで、自分の活動を振り返ることができる。
  • 児童同士が互いの良い点を見つけて励まし、高め合う、自己・相互評価を通し、児童は活動の目標を明確に意識できる。目標を理解していることで、得られる成果は大きくなる。

 

 

*さいたま市小・中一貫『潤いの時間』教育特区「英会話」カリキュラム(さいたま市教育委員会)を基に編集部で作成。


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