Q5:指導の方向性が同じなら、指導法は今までと変えなくてもよいでしょうか。
A5:目指すべき力を確実に子どもに育成する指導ができているかという視点で、見直す必要があるでしょう。1990年前後から、「新しい学力観」が提唱され、知識の詰め込みではなく、子どもの主体的な学びが重視されるようになりました。これは、子どもの学習意欲を重視し、思考力、判断力、表現力などを学力の基本とする考え方で、今回の改訂でも踏襲されています。しかし、これまでの指導では、「主体性」が誤解され、「放任主義」に陥り、子どもの能力を育てきれていない状況も多く見られました。
主体的に学ぶ力を付けるためには、まず、子どもが自ら問題や目標を見いだせる「認識のスキル」が必要です。そのためには、違いに気づくことが大切です。例えば、3学年の「電気の通り道」で、豆電球がついている状態とついていない状態を提示し、ただ「よく考えて」と伝えるのではなく、両者の事象の違いに気づかせることから、子どもが問題を発見して、それを追究することが主体的な学びとなります。
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