移行措置対応のポイント 第3回 子どもが主体的に考える理科の指導
福島県福島市立三河台小学校

福島県福島市立三河台小学校

◎1932(昭和7)年開校。「科学が好きな子どもの育成」を研究主題とし、豊かな感性や問題解決能力の育成に重点を置く。2007年度「文部科学大臣表彰創意工夫育成功労学校賞」、08・09年度「ソニー子ども科学教育プログラム優秀プロジェクト校」などを受賞。

校長◎野崎修司先生
児童数◎521人
学級数◎18学級(うち特別支援学級0)
所在地◎〒960-8053 福島県福島市三河南町17-7
TEL◎024-534-0161
URL◎http://academic3.
plala.or.jp/mikawada/

オープン授業研究会◎2009年度は6、7、10、11月に実施(終了)


VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 7/24 前ページ 次ページ

【実践編】
豊かな体験活動を通して実感を伴った「問い」が生まれる

福島県 福島市立三河台小学校

「手で科学する」ことでひらめきや疑問が生まれる

 福島市立三河台小学校が、理科の授業で重視するのは「手で科学する」という視点だ。野崎修司校長はそのねらいをこう説明する。
 「『頭』で考えるだけでは、表面的な理解しかできません。ものづくりや観察、実験など、『手』を使った体験活動を通して考えることで、ひらめきや疑問が生まれやすくなり、実感を伴った理解ができると考えています」
  子どもが科学教材に触れられるように、空き教室をミニ科学館「ワンダーステーション」とし、日頃から科学への興味・関心を高めている同校。授業では、豊かな体験活動を通して、実感を伴った「問い」をもたせることを大切にする。問いを生み出す観点を、研究を通じて六つに分類した。
  1. 追試行─ある結果が本当にそうなるかを再度確かめる
  2. 自由試行(自由に遊ぶ)─設定された場の中で、興味や関心の赴くままに活動する
  3. ものづくり─提示したモデルを作ることにより、先行経験との違いに気付く
  4. 分解・組み立て─ものを分解したり、組み立てたりすることにより、仕組みの巧みさや不思議さに気付く
  5. フィールドワーク─屋外での活動をすることにより、自然の変化等に気付く
  6. 飼育・栽培─飼育・栽培活動を継続的に行うことにより、動植物の生態や成長の変化等に気付く
 研究主任の山岸裕司先生は、「どの単元にも、いずれか一つ以上の観点を取り入れて問いを生み出し、問題解決の起点にするようにしています」と話す。P10で紹介する4年生の授業「もののかさと力」は、2.自由試行(自由に遊ぶ)を土台に展開する。

   PAGE 7/24 前ページ 次ページ