特集 新課程対応─時数確保のひと工夫
刈山弘全

▲大村市立郡中学校

刈山弘全

Kariyama Hiromasa
教務主任、数学科担当

戸田朋彦

▲大村市立郡中学校

戸田朋彦

Toda Tomohiko
研究主任、数学科担当、1学年担任

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教師の負担平準化と会議の効率化を模索

 移行期間中は、教師一人ひとりの負担増を抑えながら、担当教科によって異なる業務量を平準化することを重視している。全体として、年間授業時数を980時間内に収めるようにし、行事も精選(P.20)している。
 選択教科の時数は上限まで確保し、時数増となる教科を開設。その一部は教師全員で担当する。これに伴い、「総合的な学習の時間」(以下、総合学習)の時数は下限の値をとり、内容を絞り込んだ(P.22)。
 朝のトレーニング学習は教科として時数に計上。学級担任を始め、各学年団の教師全員で生徒を見ることで、教師の業務量を平準化する役割も果たしている
 朝のトレーニング学習導入による時間割の変更に伴い、教師同士のコミュニケーションの方法も試行錯誤中だ。学年内の連絡は、09年度から職員室ではなく各学年の階の廊下で行っている。全担任が集まるトレーニング学習の前後の時間を利用しているのだ。
 全体職員連絡会は、朝に時間を確保できなくなったため、月曜と木曜の夕方に各20分で行うことにした。ただ、夕方は生徒指導などに対応する教師もいるため、教師全員が集まることが難しい。教師から朝の職員連絡会復活の要望が強かったこともあり、09年度の後期から木曜は夕方に残し、月曜だけ朝に戻すなど、現状に合わせながら改善を続けている。
 時間が長引きがちな職員会議は、回数を増やし、1回を1時間程度に短縮することを目指している。更に、既設の学年別連絡用ホワイトボードに加えて、全教師向けのものを新たに設置した。口頭での連絡にかかる時間を減らすためだ。今後も教師間の連絡方法を見直し、効率化していく考えだ。
 基礎・基本の定着のために学習に集中して徹底的に取り組む時間と共に、学級全体で行事に打ち込む時間も重視する。指導のねらいに応じて「静と動」のめりはりを明確にした教育課程と、教師間のコミュニケーションを確保するために、会議の在り方を柔軟に改善している点が、同校の取り組みの特徴といえる。


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