特集 研究授業を活性化させる!
大西孝司

▲丸亀市立飯山中学校校長

大西孝司

Onishi Takashi

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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校内研修を導入し授業の視点を共有

 飯山中学校が「新たな発見と感動のある授業づくり」を目指して校内研修に取り組み始めたのは、2006年度のこと。同年に赴任した大西孝司校長は、一人ひとりの教師は熱心に授業に取り組んでいたが、互いに学び合う仕組みが整っていないことに組織的な弱さを感じたという。
 当時の校内研修は、学校全体ではなく、学習指導や生徒指導、人権教育といった部会ごとに実施しており、教師全員が参加する研修はなかった。また、「授業」をテーマとする研修もなく、授業改善への取り組みは個々の教師に任されていた。
 教師の高齢化も、大西校長が校内研修の必要性を感じた理由の一つだ。同校の教師は50代が最も多く、20代が少ない上に、年々、平均年齢が上昇していた。
 「子どもの実態は急速に変わっています。5年前は評価された授業でも、今は通用しないこともあります。経験に頼りがちなベテラン教師も『これまでの指導で大丈夫だろう』という意識を捨て、研修を通して新たな教育課題への対処法を学ぶべきです」
 また、市町村合併により、以前に比べて広い地域から教師が集まるようになった。教師の教育観が多様化している中、大西校長はすべての教師にとって共通項である「授業」を中心にした校内研修の活性化を検討した。しかし、多忙な業務の中で本格的な研究授業を行うのはハードルが高い。そこで導入したのが、特別な準備や事後研究は行わず、普段の授業を公開し、空き時間の教師が参観する「公開授業」だ(P.8)。これにより、次第に授業を見せ合う意識が根付き、07年度からは「公開授業」と並行して、年2回の本格的な研究授業が実現した(P.10)。

図:飯山中学校の研究授業の流れ

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