ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 シラバス活用による学校活性化への視点
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保護者の学校参加を促すためのシラバス活用
 続いて保護者に対するシラバスの活用ポイントを見ていこう。保護者に関しては、学校の指導に対する保護者理解を深め、学校の求心力を高める必要があるが、それに対応するための事例校に共通するポイントが2点ある。

(1)シラバスを軸とした保護者への学校活動の情報公開
(2)分かりやすさ、読みやすさ

 (1)は、保護者へのアカウンタビリティの確保のためにも重要なポイントである。保護者用シラバスでの提示が最も効果的ではあるが、教科シラバス、進路シラバスであっても保護者向けに公開することで保護者をうまく巻き込めるのである。
 例えば、教師用進路シラバスをカスタマイズして保護者にも配付している事例富士高校や直接保護者にシラバス提示はしてないが、教師用進路シラバスに「対保護者」欄を設けて、保護者に対してどういう情報を提供していくかを教師間で目線合わせしている事例泉松陵高校もある。
 (2)は、保護者用シラバスの重要なポイントである。内容はもちろんレイアウトなどについても分かりやすく、読みやすいことが求められる。
 例えば宮崎南高校の保護者用シラバスは考え方が非常に明確で、保護者は、何をすべきか理解しやすくなっている。学校と家庭の役割分担を明確化し、学力向上の指導は学校、家庭にはそのベースとなる生活習慣の確立をしっかりとしてもらうことをお願いしているのだ。実際のシラバスの内容も、生活習慣の改善に関わる項目が充実している。
 また、長崎東高校の保護者用シラバスは、「仕事から夜の10時に帰宅した保護者が寝転がってでも読める本」をコンセプトに極力情報を絞り、イラストやエッセイを加えるなど、読みやすく内容も非常に簡潔になっている。更に、これまでの学校資料と一線を画するほどデザイン面も工夫しており、「まずは手に取って読んでもらう」ことを重視している。

図2


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