近年、生徒の多様化、大学入試の多様化などを背景として、クラス担任の進路指導の重要性はますます高まっている。 一方で、「クラス担任の指導力の向上」を課題と捉えている学校も多い。 そこで、今号では、クラス担任に焦点を当て、クラス担任の進路指導力を高める方策を考える。
クラス担任の進路指導の課題と方策
近年の若手・ミドル層のクラス担任を中心とした、進路指導上の課題を整理し、 その課題解決の方策を学校事例とベテラン教師の体験から考える。
1.データで見る近年の進路指導の実態
1997年調査 「3困っている」「2どちらともいえない」「1困っていない」の3択法(グラフの値は「3」の選択率) 2004年調査 「5困っている」「4やや困っている」「3どちらともいえない」「2あまり困っていない」「1困っていない」の5択法(グラフの値は「4」「5」の選択率の和)
2.主な課題(上記データよりピックアップ)
◎教師の指導力にバラツキがある ・若手クラス担任の進路指導の力量を、どのように高めるかが大きな課題だと感じる(教師の声) ◎教師の職業に関する知識・情報が不十分 ・大学入試の多様化に伴って、クラス担任に必要となる進路指導の情報量が増えている(教師の声) ◎多忙なため、個々の生徒に対応する時間的ゆとりがない ・分掌業務など、1人の教師が抱える仕事が多くなり、面談の時間が十分取れない(教師の声)
◎進路について考える意識が低い ・近年、「打たれ弱い」生徒が増え、「自ら高い目標を設定・維持できない」「そこそこ志向で、低い目標に流れてしまう」生徒が目立ってきたと感じる(教師の声) ◎生徒の進路が多様で指導困難 ・生徒の多様化を背景に、進路相談では個別対応がより必要となってきた(教師の声)
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クラス担任の進路指導力をどのように高めるか
3.課題解決のポイント
◎指導力向上の場づくり 【関連記事】P.2「高崎女子高校」など
◎生徒の多面的な把握 【関連記事】P.7「呉三津田高校」など
◎指導の平準化の仕掛け 【関連記事】P.12「東筑高校」など
◎最前線で生徒に接する教師の熱意 【関連記事】P.17「インタビュー」など