「竜一プロジェクト2010」の一環として、「中長期的な展望を踏まえた提言」と「教師の指導力向上施策」を検討する組織が「筑波大研究委員会」だ。チーフは菅原先生、メンバーは進路・教務の各主任、1~3学年主任、5教科の教科主任など約10人。09年4月の発足から9月下旬までに、10年度からの55分授業導入(09年度までは50分)、家庭学習時間確保のための部活動の見直しといった改革を打ち出した。
「若手教師がリーダーとなることで、学校全体が活性化すると考えました。学校全体を動かす経験を積み、更に教師力を高めてもらうことも狙いとしています」(倉持先生)
今、委員会を中心に、筑波大の09年度入試問題分析集を作成している。国数英理社を「配点・時間」「問題数・出題領域」「問題の特色・難易度」「今後のアドバイス」の観点で分析し、全校生徒も閲覧できるようにする予定。1年生も取り組めるよう、各科目でA4判用紙の裏表に収まる範囲で問題を厳選。授業で使う教材と関連したアドバイスをし、授業の重要性に気付かせる。特に、1年生には秋の筑波大見学後に参照できるようにし、2年後の入試を実感させる。
「筑波大の難易度が年々上がる中、20人の現役合格者を出せる力は、まだ本校にはありません。まずは入試分析を素材として教科内で研修を行うなど、地道な作業を続けたいと考えています。取り組みに刺激を受けて、筑波大の22年間分の入試問題分析を自主的に行う教師が出てくるなど、先生方の意識の高まりを感じます。一つひとつの積み重ねが教師の指導力向上をもたらし、ひいては少々の環境変化では揺るがない『学校力』の構築に結び付くと信じています」(菅原先生)
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