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第2部
学力調査を活用した実践事例
都道府県単位、市区町村単位で、既に学力調査を実施しているケースは多い。全国的な学力調査を含め、学校はその結果をどのように受け止め、指導の改善に生かしていけばよいのだろうか。調査を生かすポイントを確認したあと、先進的な取り組みを行っている4校の事例を紹介する。
1 分析
・課題(領域)の絞り込み――
清音小学校
・全国比較
・経年・追跡比較
・クロス分析
2 共有
・校内研修会
・授業計画の目線合わせ――
鹿浜小学校
・カリキュラムの再編成――
今江小学校
・年間指導計画、シラバスの作成
3 活用
・学習活動・指導の工夫――
大池小学校
・家庭の啓発
・学校間連携
・学校評価
学力調査を生かす三つのポイント
「分析」「共有」「活用」の見通しを持つことが大切
指導改善に大きな力を発揮する学力調査だが、実施するだけではメリットは生まれない。得られたデータをどのように扱うべきか、次の三つの視点から考えてみたい。
1 分析のポイント
漫然と分析を始めてしまうと個々の問題の正答率ばかりに目が行きがちだが、それでは根本的な問題点は見えてこない。いま一度、自校の教育目標に立ち返り、「重点的に指導してきた力がきちんと身に付いているか」「学力をバランスよく伸ばせているか」といった分析の目的を明確にしておきたい。この点が明確になれば、全国比較を重視するのか、経年比較を重視するのか、あるいは学力と学習意識のクロス分析が必要かなどの分析の手法が明確になる。
2 分析結果を共有するポイント
洗い出した課題を一部の教師しか知らないという事態は避けたい。分析結果は文書化し、だれもが立ち戻れる基準として残す、データをレーダーチャートなどの形で視覚化し、だれもが理解しやすいようにするなどの工夫をすることが大切だ。
更に、校内研修の場で情報を共有したり、次の取り組みにつなげやすいよう、分析結果を年間指導計画やシラバスの形で具体化し、その過程で目線合わせを行うのもよいだろう。
3 活用のポイント
分析結果は、加工の仕方を工夫することでさまざまに活用できる。各教科で課題を整理し、授業の改善に生かすほか、児童の個人帳票を個人面談や家庭訪問の資料にする、小テストの内容の妥当性を検証する、といった活用法も考えられる。
次ページからの事例校の実践を是非参考にしてほしい。
(編集部)
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