◎まじめ、でもやや受け身
近年、子どもの授業態度はまじめになっているようだ(【1】)。94%の子どもが宿題をきちんとこなし(【2】)平日に宿題を「ほとんどしない」という子どもは少ない(【6】)など、基本的な学習態度は改善しているように見える。日頃のきめ細かな指導の成果だろう。しかし、言われたことには素直にこつこつ取り組むが、自ら進んで学ぼうという意欲や学んだことを更に深めようとする意識・学習行動には、課題も見受けられる。こうした態度や習慣は、成績上位の子どもほど身に付けている比率が高い(【3】【4】【5】)。
◎「自分で出来ること」を徐々に増やす
少子化や保護者の教育観の変化などにより、保護者と子どもの関係がより密接になっている。例外はあるものの、子どもは家庭内で大切に育てられている。そうした中、ますます大切になってくるのは発達段階に応じた「自立」への手立てだ。生活場面のみならず学習の場でも、自らの意思と意欲で自立的に学習できるように導く必要がある。そのためには、子ども自身で出来ることを徐々に増やし、達成感を積み重ねつつ習慣化できるように、学校と保護者が上手に働き掛けることが大切だろう。保護者に対して「もっと子どもに任せてみてください」などと理解と協力を得る機会を増やしても良いかもしれない。
◎家庭学習習慣は生活習慣でもある
家庭学習指導は、そのきっかけの一つになる。家庭学習習慣は生活習慣でもある。意欲的に自学自習できることが最終目標とはいえ、小学生のうちは学習をきちんと生活の中に位置付けることが先決だ。決まった時間に机に向かい、宿題等に取り組むことは「自立」と「自律」の第一歩。生活習慣付けの一環として、宿題の出し方や指導の在り方などについて、改めて学校ぐるみで検討してはどうだろうか。
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