◎手間が少ない方法でコツコツ勉強
近年、子どもたちの授業態度はまじめになってきているようだ。復習を中心に、毎日コツコツ勉強する子どもが増加している(【1】)。一方、辞書を引いたり、図鑑などを使って調べたりといった、比較的手間がかかる学習方法を敬遠する傾向が見られる(【2】)。
◎なぜ勉強するのか、の動機付けから
中学生になると、学習に関する悩みが増加する(【3】)。背景には、思春期に入ることや、授業の進度が速く内容も難しくなること、部活動などで生活が大きく変化することなどがあると考えられる。そうした中、学習意欲が前向きで、家庭学習習慣が身に付いている子どもの方が、成績が高いことは明らかだ(【4】)。学力向上のためには、まず、意欲的・自立的に学習に向かうための動機を、子ども自身が持つことが大切と言える。
◎成績に結び付く「受験」「友だち」の存在
学習意欲を高めるために、どのような動機付けをし、働き掛ければよいのだろうか。すべての子どもに共通する方策を見出すことは不可能だが、成績が良い生徒はどのような学習習慣や学習動機を持っているかを分析することは、一つのヒントになるだろう。
今回紹介した調査結果の中では、成績の良い生徒は、知識・理解が深まること自体を学習の動機として挙げる比率が高い【6】)。加えて、進学の希望や、ライバルでもある友だちの存在も、学習に向かい、成績を上げる動機としての影響が大きいようだ。
中学生になると自分を客観視出来るようになり、自分がしたことの成果や伸びしろを客観的に把握し、改善できるようになる。学校での指導においても、小さなことでもよいから子ども自らの意思で目標を設定し、成功体験を積み上げて学習意欲へと結び付ける指導が、今後ますます求められるだろう
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