ベネッセコーポレーションでは、校務支援サービス「ベネッセ校務クラウド」の立ち上げにあたり、部署を横断する推進チームが社内公募で編成された。それぞれの担当領域に分かれて、日々切磋琢磨しながらサービス開発に情熱を注いでいる。プランニング担当社員に、開発にかける思いを聞いた。

 

ベネッセ校務クラウド プランニング担当
重田 賢一

「ベネッセ校務クラウド」のプランニング担当。
ベネッセコーポレーション入社以来、20年以上にわたり、高校向けのサービス開発に携わる。自分の子どもが高校生になったのをきっかけに、進路以外の学校業務に興味を持つ。

実装機能の検討は、「校務を知ること」から始まった

 

これまで特に力を入れて取り組んだ業務は、高校生の進路に関するサービスでした。そのため、校務サービスのプランニングを行うにあたり、「校務」という言葉の意味を考えることから始めました。

まずは言葉の定義です。「校務=学校で生じている業務すべて」と定義し、その実態を把握するために、「校務とは何か」を生成AIに問うてみたり、自分の子どもが通う学校の行事や連絡事項から、それらにかかる業務を想像してみたりしました。そうして「校務」に相当すると思われる内容を一覧化してみました。

そのリストを携えて学校に向かいました。やはり先生方にお伺いしなければ、「校務」が何かを知ることはできません。対応していただいた先生には、リストに抜け漏れがないかを見極めていただいた上で、校務の具体的な内容についても、一通りアドバイスをいただきました。

ある先生は次のようにおっしゃいました。「標準的な業務はこの一覧にある通りだけれど、私立校はさらに学校独自の取り組みを仕事としてプラスされるよ」。

校務という仕事は実に多種多様で、学校の特色化の一端さえも担っていることが分かりました。そして、より多くの学校、先生方のお役に立つサービスを開発するためには、どの学校も共通して負担を感じられている領域を見定め、そこを優先的に仕組み化するべきだと、開発の方針を定めることができました。

校務の実態を調べるうちに作成されたリスト

自社のこだわりよりも優先したいこと

既にご案内している通り、「ベネッセ校務クラウド」は、ベネッセコーポレーションのオリジナルのサービスではありません。もちろん、自社で開発して、こだわりのあるサービスを提供したい気持ちはありますが、1日でも早くサービスを世に出すことを優先しました。それほど先生方の業務負担は増えているのです。学校の様子をうかがう中でもよく耳にしたその状況を踏まえ、私たちは、できる限り早くサービスの提供を実現するために、自社開発のこだわりよりも、弊社の思いや考えに共感してくれる会社と一緒に協働するという方法を選びました。

「ベネッセ校務クラウド」は、テクマトリックス株式会社と業務提携をし、同社の「ツムギノ」をカスタマイズする形で開発を進めています。さらに、入試運営のデファクトスタンダードであるサービス「miraicompass®入学編」や同シリーズの「学費収納・管理サービス」など、充実した機能を持つ既存サービスとの連携も実現しようとしています。

※miraicompass®は、三菱総研DCS株式会社の登録商標です。

生徒のための時間確保を

生徒の気質が多様化したり、教育現場でデジタル化が進んだりする中、先生方の業務は常に広がり、変わり続けています。そのような状況であっても、先生方が子どもたちに接する時間、子どもたちのために使う時間を少しでも増やすことができることと、その結果、子どもたちが夢を実現すること。それらが、私たちが「ベネッセ校務クラウド」を通じてかなえたい夢です。その世界観を実現することができるよう、各領域の担当者が力を合わせて開発に取り組んでいます。どうぞご期待ください。