全国の小中学校で2023年度に不登校だった児童生徒が前年度比約4万7000人増の34万6482人で、過去最多を更新したことが31日、文部科学省の23年度「問題行動・不登校調査」で分かった。高校(6万8770人)も過去最多で、小中高を合わせ、41万5252人に上った。

また、小中高と特別支援学校のいじめ認知件数は前年度から約5万件増え、73万2568件だった。3年連続で過去最多を更新した。

文科省によると、小中の不登校は11年連続増。23年度の増加の背景には、新型コロナウイルス禍で生活リズムが乱れたことによる登校意欲低下や、休養の必要性について保護者の意識が変化したことなどが挙げられるという。

高校の不登校の要因は、コロナによる登校意欲低下のほか、進学やクラス替えに伴う不適応があると分析している。

一方、いじめの認知件数増は、研修の充実などで学校側が積極的に認知するようになったことが大きいと指摘。児童生徒の様子をつぶさに観察する見取りの精緻化や、SNSなどインターネット上のいじめの覚知も進んだことを挙げた。いじめの77.5%は23年度末までに解決したという。

心身に重大な被害を受けた疑いがある「重大事態」は、1306件(前年度919件)で過去最多。学校側の積極的な認定で件数が増えた一方、教員が一人で抱え込み重大事態まで発展してしまったケースもあり、組織的な対応の重要性も浮かんだ。

小中高の暴力行為は10万8987件で過去最多だったが、同省は「暴力傾向が進んだわけではなく、細かく見取りを行った結果」としている。

自殺した小中高の児童生徒数は397人(前年度411人)で、いじめの情報があったのは7人だった。