国際教育到達度評価学会(IEA)は4日、世界の小学4年と中学2年を対象とした2023年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表した。日本は小中とも理科で前回より平均得点が低下したが、文部科学省は算数・数学を含め、「高い水準を維持した」としている。小中、いずれの教科もシンガポールがトップだった。

 調査は4年に1度実施。今回は58カ国・地域の小学生、44カ国・地域の中学生が参加した。日本では、141校約3900人の小4と133校約3900人の中2が対象となった。

 その結果、日本の小4算数の平均得点は前回から2点ダウンの591点(5位)で、中2数学は594点から595点(4位)に上がった。順位はいずれも前回と変わらなかった。

 小4理科は、前回から7点ダウンの555点で、4位から6位に下がった。中2理科は13点ダウンの557点だったが、前回と同じ3位だった。

 文科省は、小4理科について、砂漠の生き物に関する出題があったことなどを挙げ、「日本の児童になじみのない問題が一定数あったことが影響した」と分析。中2理科については「国際的にスコアが低下している」と指摘し、いずれも「問題視する必要はない」としている。