谷本 祐一郎

(株)ベネッセコーポレーション 学校カンパニー 教育情報センター長

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ベネッセコーポレーション・教育情報センターでは、2021年12月~2022年2月に、全国の大学を対象に学校推薦型選抜・総合型選抜に関するアンケート調査を行った。

国公私立の777大学を対象に、学校推薦型選抜(指定校推薦を除く)の実施状況、総合型選抜の実施状況、指定校推薦の実施状況などについてアンケート調査を行い、全体の64%、494大学からの回答があった。今後、アンケート集計結果の要点を3回に分けて報告する。今回は、学校推薦型選抜について報告する。なお、アンケート集計結果の完全版はベネッセハイスクールオンライン(※)に掲載しているので、高校の先生方はぜひご確認いただきたい。

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学校推薦型選抜の実施目的は?

学校推薦型選抜の実施目的を見ると、「全体」で「とても当てはまる」という回答が最も多かったのは「大学での学びについて意欲の高い生徒に入学してほしい」(86%)であり、次いで「大学での学びについて適性の高い生徒に入学してほしい」(69%)となった。

※数値は無回答を除く全回答数に対する「とても当てはまる」の回答割合。

3番目は「学力以外の視点で資質・能力の高い生徒に入学してほしい」(41%)であり、ここまでの回答は設置区分にかかわらず同様の傾向となっている。4番目以降の回答状況は設置区分によって差があり、国立大学では「高校在学時の活動で実績がある生徒に入学してほしい」(30%)、私立大学では「早期に合格者を確保したい」(38%)と続いた。

学校推薦型選抜で受験生に求める力は?

学校推薦型選抜で受験生に求める力を見ると、「全体」で「とても重視している」という回答が最も多かったのは「明確な志望動機(大学・学部・学科で学びたい理由)」(79%)であった。次いで、「基礎学力」(62%)、3番目に「思考力、判断力、表現力などの応用的な学力」(54%)となった。

※数値は無回答を除く全回答数に対する「とても重視している」の回答割合。

国公私立を問わず「明確な志望動機(大学・学部・学科で学びたい理由)」が最も多い回答があったが、設置区分別に見ると、2番目に回答が多かった項目は、国立大学では「思考力、判断力、表現力などの応用的な学力」(83%)、私立大学では「基礎学力」(62%)となった。

また、国立大学では「社会の諸問題に対する関心や課題意識」(64%)、「リーダーシップ」(50%)などの回答率が非常に高い結果であった。

学校推薦型選抜で入学した生徒の特徴は?

学校推薦型選抜で入学した生徒の特徴について、「全体」で「とても当てはまる」と「やや当てはまる」の回答割合の和が最も高かったのは「大学での学習に対する意欲が高い」(65%)であり、次いで「大学の授業以外の活動(資格取得や地域貢献活動など)において積極的な学生が多い」(55%)となっている。

※数値は無回答を除く全回答数に対する「とても当てはまる」「やや当てはまる」の回答割合の和。

設置区分別で見ると、国立大学では「大学の授業などでリーダーシップをとれる学生が多い」(64%)の項目が2番目となっているが、前述の受験生に求める力として重視していることとも一致しており、選抜を通してリーダーシップが高い生徒が入学し、入学後も力を発揮していると言えよう。

 

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