西島 一博

(株)ベネッセコーポレーション ベネッセ文教総研 所長

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前回は、数学、情報に関して報告した。今回は、英語外部検定試験の活用について報告する。また、すでに一部の大学で新課程入試科目が予告・公表されているので、その状況を紹介する。

結果報告(2)はコチラ

問8 各大学で推進されることとされた英語外部検定試験の利用についてお聞かせください。「出願要件」「みなし満点」「得点加算」「得点換算」など、合否に影響する活用をお聞かせください。(2022年度入試および2025年度入試)

次の表は、アンケート結果をもとに、2022年度の利用状況を縦に、2025年度の検討状況を横にして変化が分かるように作成したものである。

「未定」が多いので、各大学からの公表を待たなければ明確には言えないが、現段階では、国立大学は、やや活用場面が拡大、公立大学は大学によって増減があり全体としては変化なし、私立大学は活用場面が増加する方向にある。

令和4(2022)年度入試において、東京外国語大学が一般選抜で大学独自の英語スピーキング試験を実施したが、独自のスピーキングテストを開発し、入試で実装できる大学が一気に増えることはないと考えられる。外部検定試験の活用は広がっていく方向にあると考えてよい。

■令和7(2025)年度入試科目予告・公表状況
[室蘭工業大学]
○令和4(2022)年度入試において、共通テストで「世界史A」「日本史A」「地理A」を選択することができ、令和7(2025)年度入試でも『地理総合、歴史総合、公共(から2つ選択)』は選択可。
○学校推薦型選抜では共通テストの『情報I』は課さないが、一般選抜では前期日程・後期日程とも必須。

[東京大学]
○令和4(2022)年度入試において、共通テストで「世界史A」「日本史A」「地理A」を選択することはできず、新課程入試でも『地理総合、歴史総合、公共(から2つ選択)』は選択不可。
○共通テスト『情報I』を利用する。(教科・科目の選択方法は改めて公表)

[九州工業大学]
○一般選抜、学校推薦型選抜2(ローマ数字)、総合型選抜2(ローマ数字)において、令和4(2022)年度入試において、共通テストで「世界史A」「日本史A」「地理A」を選択することはできないが、令和7(2025)年度入試においては『地理総合、歴史総合、公共(から2つ選択)』を選択することができる。
○一般選抜、学校推薦型選抜2(ローマ数字)、総合型選抜2(ローマ数字)において、共通テスト『情報I』を課す。

詳細は各大学のホームページを参照してほしい。

このほかにも、共通テストの「情報I」の利用有無、配点・定員の変更、学校推薦型選抜・総合型選抜のみの記載など、部分的な公表を行う大学が出始めている。

全体像が見えるのはまだ先になるだろうが、入試科目は高校生の進路選択に関わる重要な情報であり、ベネッセ文教総研としても引き続き注視していく。