谷本 祐一郎
(株)ベネッセコーポレーション 学校カンパニー 教育情報センター長
1985年、岡山県生まれ。2007年、(株)ベネッセコーポレーション入社。九州支社にて、大分県・熊本県・宮崎県の高校営業などを担当し、2016年より東北支社にて学校担当の統括責任者。2019年より現職。講演会・研修会の実績も多数。現在は、大学入試の分析、教育動向の読み解きや、全国の高校教員向けの各種セミナーを企画し、情報発信を行っている。
語学系統などは志願者数回復もコロナ禍以前の水準には戻らず
弊社が収集した国公立大の志願者数によると、語学系統、国際関係学系統、薬学系統、理学系統、農・水産学系統などで増加が目立っている。志願者数の減少が続いていた語学系統、国際関係学系統では人気の回復がみられたが、コロナ禍以前の水準までは戻っていない。また、医療系の人気は継続しており、薬学系統は2年連続の志願者数の増加となった。薬剤師を目指す6年制課程のみならず、研究者を目指す4年制課程の人気がある点も特徴だ。また、医学系統でも志願者数が対前年指数102と増加に転じた。難関大の志願者数も増加しており、共通テスト導入年度であった前年に見られた安全志向が弱まった結果であると考えられる。
2022年度高校3年生の直近の模擬試験の志望動向を見ても、医学・薬学系統の人気は継続している。農・水産学系統は、今年度は志願者数が増加したが、近年、志願者数の減少が続いており、長期的にみれば人気傾向とはいえない。
また、首都圏・近畿圏の私立大の志願者数においては、法学系統、国際関係学系統、歯学系統、薬学系統、工学系統などで増加が目立っている。法学系統では模試動向段階から人気傾向がみられていたが、実際の出願でも志願者数の増加が目立った。全国データをもとにした詳細な分析結果の公開は6月中旬を予定している。