谷本 祐一郎
(株)ベネッセコーポレーション 学校カンパニー 教育情報センター長
1985年、岡山県生まれ。2007年、(株)ベネッセコーポレーション入社。九州支社にて、大分県・熊本県・宮崎県の高校営業などを担当し、2016年より東北支社にて学校担当の統括責任者。2019年より現職。講演会・研修会の実績も多数。現在は、大学入試の分析、教育動向の読み解きや、全国の高校教員向けの各種セミナーを企画し、情報発信を行っている。
一橋大は1951年以降、初の新設学部
近年、「情報」に関する学部系統の人気が高まっているが、「情報」といっても、理学系統、工学系統、社会科学系統など様々なアプローチがあり、なかでも、「データサイエンス」は特に人気が高い。現高校3年生が入学する2023年4月には「データサイエンス」関連の学部新設を予定する大学が多くみられる。
まず、国公立大学では、一橋大がソーシャル・データサイエンス学部の新設を構想しており、1951年に現在の4学部体制になって以降、初の新設学部となり、注目が集まっている。また、名古屋市立大もデータサイエンス学部の新設を構想している。
様々な視点からデータサイエンスを学ぶ学部にも注目
私立大学は、新設予定が数多くある。明星大ではデータサイエンス学環(学部相当)の新設を予定している。「学環」とは、大学内の複数の学部のリソースを活用して、横断的な学習を行う教育プログラムのことで、既存の例では岐阜大の社会経営学環などがある。
北里大では未来工学部(データサイエンス学科)の新設を予定している。北里大の強みである生命系データを利用した演習科目も用意しているようだ。
また、順天堂大では、健康データサイエンス学部を新設予定。医学・医療とスポーツに基づいた健康の視点から、健康・医療・スポーツ領域の発展に貢献するヘルスデータサイエンティストを育成するとしている。
湘南工科大では、情報学部(人工知能専攻、情報工学専攻、情報メディア専攻の3専攻)の新設を予定している。学部新設は、開学以来60年ぶりとのことである。
近畿地区では、大阪成蹊大が、データサイエンス学部の新設を予定しており、阪急相川駅前に開設予定の新キャンパスで学ぶことになる。また、京都女子大でも、データサイエンス学部の新設を予定している。数学が得意でない学生のサポート体制を整え、丁寧にデータサイエンスを身につけることができるとしている。
「情報」といっても様々あるわけだが、「データサイエンス」に関しても各大学によってアプローチ方法は異なるため、先生方も積極的に大学説明会に参加するなどしながら情報収集を行うことをお勧めしたい。コロナ禍でオンライン形式での説明会も増えてきたため、以前に比べると参加しやすい状況にはなっている。同様に、生徒にも志望校研究は怠らないことをしっかりと伝えておきたい。
教育情報センターでは、今回ご紹介したような学部新設に関する情報や入試変更点など、大学入試に関する情報をTwitterにて発信しておりますので宜しければフォローをお願いします。
@benesse_hs_info