谷本 祐一郎
(株)ベネッセコーポレーション 学校カンパニー 教育情報センター長
1985年、岡山県生まれ。2007年、(株)ベネッセコーポレーション入社。九州支社にて、大分県・熊本県・宮崎県の高校営業などを担当し、2016年より東北支社にて学校担当の統括責任者。2019年より現職。講演会・研修会の実績も多数。現在は、大学入試の分析、教育動向の読み解きや、全国の高校教員向けの各種セミナーを企画し、情報発信を行っている。
大学入試を取り巻く様々な数字は数多くの種類があり、その数字の大小だけでは規模感のイメージも湧きづらい。そこで今回は、「大学入学者数を100人」とした時の「国公立大学、私立大学の入学者数」や「選抜方式別の入学者数」について、また、「国公立大学の後期日程出願者数を100人」とした時の「欠席率」について紹介していきたい。
なお、本内容は『VIEWnext』ウェブオリジナル記事のなかで紹介している【高校生の保護者向け動画】大学入試の基礎基本と最新情報2022から一部内容を抜粋し、再構成したものである。
大学入学者の人数を100人でイメージすると?
大学入試の選抜方式は主に一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜の3種類に分けられる。では、これらの選抜方式のうち、どの方式で入学する生徒が多いのか。社会人選抜などを除くと、2021年度の大学入学者数はおおよそ61万人。
これを100人に例えてみると、
国公立大学が21人、私立大学が79人となり、大学生の5人に4人は私立大生が占めているということになる。
次に、選抜方式で分けてみると、国公立大学は一般選抜が17人、学校推薦・総合型選抜が4人、私立大学は一般選抜が33人、学校推薦・総合型選抜が46人となる。国公立大学と私立大学を合わせると、一般選抜が50人、学校推薦・総合型選抜が50人と入学者は同程度になる。志望校によっても状況は異なるが、合格の可能性を高めるためには、一般選抜と学校推薦・総合型選抜の両方の受験の可能性を検討しておくことも必要かもしれない。
後期日程の欠席率を100人でイメージすると?
国公立大学の後期日程の募集人員は約1.6万人の枠があり、これは全日程の13%程度となる。国公立大学を志望する受験生は、出願検討の段階で様々な場合をシミュレーションしたうえで、後期日程の出願も検討することが重要である。その際に覚えておいてもらいたいのが、後期日程の欠席率の高さだ。国公立大学の後期日程の欠席率は年々上昇しており、2022年度入試においては、62.9%となった。
これは例えるなら、ある大学の後期日程に出願していた100人のうち、入試当日63人が欠席し、残り37人で合否を競うことを意味する。
前期日程に比べると、募集人員も少ないところが大半なため、厳しい競争であることに変わりはないが、最後まで諦めないことで逆転合格が起こるのもこの後期日程である。生徒はもちろんのこと、保護者も最後まで諦めないことが受験においては大切となってくるので、この欠席率の高さは、保護者会や三者面談などで積極的に発信することをお勧めしたい。
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