創造性に富んだ特色ある教育実践で成果を挙げた学校をたたえる時事通信社の第39回教育奨励賞(文部科学省後援、公益財団法人新聞通信調査会協賛)の表彰式が28日、東京・銀座の時事通信ホールで開かれ、同社の境克彦社長が優秀賞の石川県珠洲市立宝立小中学校と宮崎県立宮崎東高校定時制課程夜間部に表彰状と副賞(100万円)を贈った。

 宝立小中学校は、9年間のカリキュラム「ふるさと珠洲科」で、住民と地元への愛着を育む取り組みが高く評価され、文部科学大臣奨励賞も受賞した。1月の能登半島地震で同校のある地区は甚大な被害を受け、住民や子どもも減ったという。倉見淳校長は「大変厳しい状況が続くが、なんとか工夫しながら今後もふるさと珠洲科を続けていければ。受賞を励みに頑張る」と力を込めた。

 宮崎東高校定時制夜間部は、不登校経験など課題を抱える生徒が「哲学対話」といった授業を通じて、自己肯定感を高める探究活動で成果を挙げた。小川晴彦校長は「地域に役立つのはもちろん、生徒一人ひとり最後まで面倒を見る思いで、魂を震わせて一生懸命教育に取り組む」と語った。

 優れたメディアリテラシー教育を実践する学校に贈る特別賞は、東京都の私立トキワ松学園中学校高校が受賞した。